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データベースマーケティングの内部・外部データを理解する。 【no.0140】

(前回はこちら

 データを活用して、廃棄率75%減を実現した、スシローのデータマーケティングを解明しよう・・の第七回です。

 前々回、前回と「あったらいいな」の顧客IDについて書きました。お客様全員に顧客IDを持ってもらうことができれば、データマーケティングの精度が飛躍的に上がります。が、会員カードやアプリのダウンロードなど、また別のマーケティングが必要になるので、「番外編」と位置づけました。

 さて、ここまででビッグデータ解析によって回転寿司の廃棄率75%減を実現するための仕組みの「構築」ができあがってきました。

*ビッグデータ解析の「構築」4つのポイント

1.商品データを作成する。商品ごとの鮮度管理ができる指標をデータ項目に入れておく。

2.寿司と皿を紐づけするシステムを構築し、自動廃棄ができる体制を整える。

3.「お客様が、どんなタイミングでどの寿司を食べたか」注文データを取得する。

番外.顧客データを持つことができると、データマーケティングの精度が飛躍的に上がる。

 「構築」についてあげたのはこの4つのポイントです。ここから「構築」した仕組みを活用して、廃棄率を下げていくための「運用」のフェイズに入っていきますが、その前に、もうひとつ、取得する仕組みを整えたいデータを紹介します。環境データです。

*廃棄率を0%にするために無視できないデータ

 前回のブログで、「渋谷と巣鴨のお客様は違う」ということを書きました。出店している店舗の地域により、来店するお客様は異なります。必然的に、お客様が注文する寿司や注文するペース、注文する量は異なり、データマーケティングによる需要の予測も異なってくるのです。

 したがって、需要予測を決定するための要件として、顧客データや注文データなどの「店舗の内部で取得できる」データだけではなく、店舗の環境に合わせた「外部の」データが必要になってくるわけです。これを、「環境データ」というふうにまとめて表現しました。(勝手に私が命名させていただきました)

 環境データとして、あらかじめ準備しておいきたいデータと、日々情報として残しておきたいデータとして、こんなデータはいかがでしょうか。

・地域データ(人):出店している店舗の地域の人に関するデータ。どんな年齢層の方が多いのか、どれくらいの所得層が多いのか、どれくらいの世帯人数なのか。

・地域データ(場所):出店している店舗の地域の場所に関するデータ。最寄りの駅からの導線はどうなっているのか、大きな通り沿いに面している店舗なのか、中央分離帯はあるか。

 このあたりが、あらかじめ準備しておきたいデータであり、次に出店する店舗のマーケティングにも活用できるデータになります。そして、日々残しておきたいデータ。

・天気データ:天気の予報も含め、その日がどんな天気の推移をたどったか

・気温データ:気温は何度だったか、最低気温と最高気温。店舗外の待ち時間には天気データと気温データが関係しそう。

・イベントデータ:その日開催されたイベント。何時からどんなイベントがあったか。店舗内でのイベントではなくて、店舗外のイベント。

 科学的なことはわからないのですが、天気や気温によってお腹の空き方が変わったり、味覚が変化したりするかもしれません。また、店舗の近くでお祭りがあれば、人どおりが増えるでしょうから、需要予測が高まるでしょう。ワールドカップが控えている時間ならば、キックオフ前にお客様が帰ってしまい需要予測が低くなることが考えられます。スシローのビッグデータ解析が、外部データをどこまで入れているかわかりませんが、廃棄率を0%にしようと考えているならば、このようなデータも無視できないはずです。

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