著者:石田 麻琴

ソリューションを選ぶときのポイントは、契約した後にアリ!?【no.0586】

 ソリューションを選択するときのポイントは、「軌道に乗るまで付き合ってくれる担当者か否か」です。ここがソリューション活用の成果を分けると思います。

 私自身、デジタルマーケティングのコンサルタントを営んでいることもあり、ソリューションの選択ついての質問をよく受けます。新しいソリューションサービスは今日も日本中のどこかで生まれています。ですから、すべてのソリューションを網羅して知っているわけでありません。それに、弊社のコンサルティング手法を知っている方ならよくわかると思いますが、ソリューションの紹介を仕事にしているわけではありません。

 ここに関しては「一般の方よりも少し多く情報を持っている」程度なのですが、まあ、普通はコンサルティング会社に「ECMJさん、こういうシステムって知りませんか?」って聞いてみたくなりますよね。気持ちはわかります。変な話、業界が違えば(同じ業界でも)私もコンサルタントの友人に「こういうの知らない」って聞くことありますし。

 例えばネットショップを運営している事業者ならば、代表的なものが「楽天市場とYahoo!ショッピングとポンパレモールとDeNAショッピングって、どこに出店すればいいの?」というもの。この相談については比較的アドバイスしやすいのですが、「自社サイトをオープンさせたいんだけども、◎◎さんと××さんと▲▲さんのカートASPだったらどれがいいと思います?」というもの。このあたりは明確に答えることができません。同様なもので、「ネットショップの受注システムなんだけども、●●さんと△△さんと◆◆さんだったらどれがいいですか?」や、「CRMのシステムで▼▼さんと□□さんは?」、WEBの制作会社で「この会社さんどう思います?」。難しいです。

 ひとつは、当然、すべてのソリューションのサービス内容・特長・機能を知っているわけではないですし、自分で触ったこともないわけです。これでは選択のポイントを話すことはできません。また、セミナー・説明会等で、ソリューションのことを知ったつもりでも、実際に使い始めたら「全く思っていたものと印象が違った」ということが普通です。それは、ソリューション側に責任があるのではなく、ソリューション活用の前に選ぶ側に見えている部分が狭いからです。そして、ありえるのが、ソリューションを使い始めてから「本当はこういうことがしたかったんじゃん!」ということに気づくパターン。これもよくあります。

 なので、「自分たちで運用してみなければわからない」という結論になってしまうのですが、それはそれで一見ギャンブル性が高いように見えて困るもの。特に、社内の稟議を通すためには、ある程度の理由づけも必要になることだと思います。「運用してみなければわからない」ただ「選択する前の判断基準が欲しい」。そう考えると、ポイントは「軌道に乗るまで付き合ってくれる担当者か否か」になります。

 つまり、ソリューションを導入し自社の課題解決として使えるものになるまで、ソリューション提供会社の担当者が相談にのり続けてくれるのか、ということです。問題は、ソリューションを使う前にあるのではなく、ソリューションを使い始めた後にあります。ソリューションを契約して、「はい。あとは自分たちのものになるまで頑張ってくださいね」というような会社は契約しない方がいいでしょう。

 できれば優秀で、親身に付き合い続けてくれる担当者がよい。そう考えると、自ずと選択肢は絞られてくるのではないでしょうか。まずは、経営者が知り合いの会社。これは安心です。そして、知人・友人の会社が利用しているソリューション。できれば担当者もご指名で同じ方。これも安心です。規模がそれほど大きくない会社。ソリューション企画者、開発者が自ら対応してくれる可能性が高いです。

 ソリューションを選択するときのポイントとして、「軌道に乗るまで付き合ってくれる担当者か否か」をぜひ考えてみてください。

 おわり。

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