ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
「あー、なるほど。どのサイトもそうなっていますよね。いま気づきました」。麻間(あさま)さんの説明を受け、鬼切社長が言いました。
「すいません。当たり前すぎて気づかれなかったかもしれませんね。そうなんです。もちろんこれからさらに進化をしていくと思いますが、いまのスマートフォンのレイアウトって、情報が縦に並んでいるのが一般的なんですね」
そういうと、麻間さんはパソコンで同じサイトを開きました。今度はパソコンの画面を鬼切社長に見せて、画面上に出ているブラウザを大きくしたり、小さくしたり、マウスを使って動かします。
「これがスマートフォンで表示しているサイトのパソコンのバージョンになります。ブラウザを縮小すると、そのサイズに合わせて、ウェブサイトのレイアウトが変化していくんです。鬼切社長、よく見ていてくださいね」
「おおっ!」。鬼切社長は感嘆の声を上げました。麻間さんがブラウザの大きさを変え、「これがタブレットでのレイアウトです。これがスマートフォンでのレイアウトです」と言うたびに、表示されるレイアウトが動いていきます。
「麻間さん、うわー、これ、すごいですね。こんなことが可能なんですね。これって、さっき麻間さんがおっしゃっていた、スマートフォン用のプログラムを組んだ状態なんですか?」
「そうですね。これはタブレットやスマートフォンの画面サイズに合わせてレイアウトが組まれるようにプログラミングされています。昔は、パソコン用のウェブサイトをつくり、タブレット用のウェブサイトをつくり、スマートフォン用のウェブサイトをつくり、という感じで、すべてを別々に作っていました。いまは、ひとつを更新すれば、全部のウェブサイトが変わるようにできるんですよ」
「ほわ~・・」。鬼切社長がまたわけのわからない感嘆の声を上げました。
「おにぎり水産のネットショップも、この形式にした方がいいですよね?どうなんでしょうか」
「もちろん、スマートフォンに対応をさせた方がいいですね。いまは1人が1台スマートフォンを持っている時代ですから。パソコンは1家にせいぜい1台ですからね。しかも、スマートフォンはいつでもどこでも持ち運びができますからね。通信速度の向上もありますし、まだ利用率が伸びるはずです」
鬼切社長は麻間さんのいうことをメモしながら聞きました。
「そう考えると、スマートフォンの対策は必須だと思うんですが、さっきの情報の縦型の話、あれも対策の重要なポイントになるんですよね。すいません。その仕組みに驚いてしまって」
鬼切社長は少し申し訳なさそうに言いました。
「いえいえ。スマートフォンの場合、画面の大きさからどうして情報が縦に並ぶ形になります。あまりに詰め過ぎると、文字が読みづらくなったり、リンクが押せなくなったりしますからね。そうなると、当然ですが、スマートフォンのページは縦長になるわけです。2列、3列の情報を1列に表示させるわけですから。また、スマートフォンはパソコンに比べてスクロールの速度も速い。ということは・・」
「先ほどの話から考えると、情報の見逃しが多くなる可能性がある、ということです」
「そうなんです。小さい画面で写真をどう魅力的にみせるかや、どれくらいの文字数を載せるのが適当なのかなど、スマートフォンの販売について、まだまだ研究の余地はありますが、重要なのはネットショップの根幹の部分、『決済と配送』の情報をいかにして伝えるか。ここがポイントになるでしょうね。お客様って、ネットショップの出店者が思っている以上に、スマートフォンのリテラシーが高いんですよ。いい意味でも、悪い意味でも」
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