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サークルKサンクス×楽天スーパーポイント=オムニチャネル【no.0379】

 つい先日のことです。

 自宅からの最寄りのコンビニがサンクスでして、ほぼ毎日、そのサンクスに立ち寄っています。ちなみに、そこのサンクスのオーナーさんも石田という苗字です。どうでもいいことなんですが。

 28日の日曜日でしたか、嫁と外出の帰りにサンクスに寄ったんですね。会計を嫁に任せ、私は雑誌を立ち読みしていたんですが、嫁がレジでオーナーの石田さんから何か説明を受けていたんですね。よく聞き取れなかったんですが、ポイントがうんたら、カードがうんたらって話をしていました。

 会計が終わった嫁が近づいてきて、手にパンフレットみたいなものを持っていたんですが、それがなんだったかと言うと、もうご存じの方もいるかもしれません。サークルKサンクスのコンビニで、楽天ポイントが溜まるようになったんですね。だから、あのレジの説明は、新しいポイントカードを作りませんか、という営業だったわけです。

 なるほど、ついに来たか、と。

 今年になってから、企業のオムニチャネル化の動きが着々と進んでいます。既報のとおり、セブンアンドアイグループがJR西日本と業務提携し、JR西日本の駅ナカのコンビニがセブンイレブンになることになりました。そして、Yahoo!とCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ、TSUTAYAね)が連携し、インターネット上での行動履歴データと実店舗での利用履歴データを共有することになりました。

 これ、詰まるところ、オムニチャネル=顧客データの統合、の話です。

 セブンアイドアイグループの狙いは、ICカードを使った顧客の行動履歴データと利用履歴データを抑えることでしょう。鉄道会社のICカード(特にJR)は、日本で最も利用されている「顧客ID」ですから、JR西日本と組んだのは「顧客主導」のマーケティングを展開するにあたって、大きな意味を持ちます。

 Yahoo!とCCCの連携は、相互に顧客データ共有の価値があります。Yahoo!IDとTポイントカードIDが連携をすることで、Yahoo!は「Webで何を閲覧したお客様が、実店舗でどんな購買行動を起こすかを知れる」、逆にCCCは「実店舗でどんな購買行動を起こしたお客様が、Webで何を閲覧しているかを知れる」わけです。もちろんそれが、顧客データに基づいたマーケティングの材料になるのは言うまでもないですよね。

 そして、オムニチャネル化に関するこの2つの動き以外に注目していたのが、「サークルKサンクス売却」の噂でした。伊藤忠商事がユニーグループHDの株を保有していることから、「もしかして伊藤忠が?」「ということは、ファミリーマートと統合?」とも思われていたのですが、その後、続報はありません。

 個人的に、Yahoo!や楽天など、リアルの世界にお客様との接点がないインターネット企業が、オムニチャネル戦略のため買収に乗り出すのではと考えていたのですが、買収は今のところ無し。しかし、楽天がサークルKサンクスと楽天ポイントの連動をスタートしたということで、これは事実上の業務提携ということになるでしょう。

 セブンアンドアイグループやYahoo!に続き、ついに楽天もリアルにおける顧客の行動履歴データの取得に乗り出したわけです。

 楽天の目的は、基本路線としてYahoo!と同じです。「楽天IDを持っているお客様が、リアルでどんな購買行動を起こしているのか」。これが知りたいのだと思います。楽天は、メインである市場事業の他に、トラベル事業、銀行事業、証券事業、クレジットカード事業、プロスポーツ事業など、様々な事業ドメインを持っていますから、リアルの顧客データを取得することで、より最適なマーケティングを打てるようにしていきたいのでしょう。

 今後もこの流れ、注目です。

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