(2014年3月のリライト)
前回は、コンテンツマーケティングに取り組むことの効果として「自社サービスへの誘導」と「検索エンジンからのアクセス増」のふたつを紹介しました。それでは、3~5つ目の効果をお話します。
3.日々の業務のアウトプット
潜在顧客の課題を解決させるテキストを書くこと自体が、日々自分が行っている仕事をまとめ、アウトプットする機会になるということです。ノウハウや気づきを書き出すことで、自分自身の頭の中が整理されることにもなります。実は、潜在顧客の課題を解決させていると見せかけて、テキストを書く自分が成長してしまっているという事実。経営者であれば、自社のスタッフにコラム記事を書いてもらうことによって、日々実践している仕事や伝えていることから、何を学び取ってくれているのかを確認することができます。コンテンツマーケティングは、自社サービスへの誘導、検索エンジンからのアクセス増を狙うだけのものではなく、アウトプットの場として、スタッフや自己の成長にも役に立ってしまうんですね。
4.採用活動へのプラス
自社媒体(オウンドメディア)のブログ記事を、執筆者の名前と顔写真、所属を出して書いてもらうことによって、自社の採用活動にもプラスの効果があります。ホームページの採用ページインタビューでは、あくまで「応募者のための顔」しか見ることができません。自社媒体(オウンドメディア)のブログ記事で見ることができるのは、課題を抱えている「お客様に対する顔」です。名前と顔と所属を出して発信することによって、その道のロールモデルになることができます。一部の業界はともかく、通常、サービスを提供している企業の名前は表に出ても、それを作っているスタッフの名前が表に出てくることはありません。企業を選ぶ志願者とすれば「この会社で働くことで、自分が将来どうなれるのか?」を気にするのは当然だと思いますし、企業としてもそれを気にする人に応募してもらいたいものです。
もちろん、自社媒体(オウンドメディア)を運営し続けるということは、それだけコンテンツを出し続けるということです。企業としての能力、スタッフとしての能力を発信し続けるためにも、「常に新しいことを学んでいく」という好サイクルが展開されていくことになります。そんな会社に、優秀な人財は集まってきますよね。
5.マーケティングデータの取得
最後は、自社媒体(オウンドメディア)に取り組むことによって、インターネット上からマーケティングデータを取得することができるということです。コンテンツを増やし続け、様々な検索ニーズに応えていると、どんなコンテンツにたくさんのお客様が集まっているか、どんなキーワードでお客様が自社媒体(オウンドメディア)にアクセスしているか、どの課題のページを見たお客様が潜在顧客から見込顧客にステップアップしてくれているか、などのデータを集めることができるようになります。メディアで追加/修正を加えていったコンテンツと、その効果をデータで見ることによって、コンテンツマーケティングの方向性を「お客様が欲しがっている方」に寄せていくことができますし、場合によっては自社の新しいサービス自体を、お客様のニーズに合わせて展開していくことも可能になります。つまり、自社のサービスが自社媒体(オウンドメディア)を作っていくのではなくて、自社媒体(オウンドメディア)が自社のサービスを作っていくという流れが出来上がります。これは、サイトを常に動かし続けているからこそ可能であり、一度作ったらほぼ終わりのホームページではできないことです。
ということで、辛くて面倒で地味なコンテンツマーケティングに取り組むことの効果を5つご紹介しました。もう一度繰り返しますが、すでにインターネットは見込顧客ではなく潜在顧客にアプローチするものに変わりつつあります。みんながやりたくないことを「汗水流して」実践することが、勝負のカギなんじゃないですかね。