ビジネスにおけるインターネットの活用には、3(+1)つのパターンがあります。
ひとつは、お客様にWEBサイトを閲覧してもらい、WEBサイト上でサービスの決済までも済ませてしまうというパターン。Eコマースが正にこのパターンになるかと思います。
もうひとつは、お客様にWEBサイトを閲覧してもらい、WEBサイト上で見積り、資料請求、問い合わせ、相談などをしてもらい、リアルの営業に繋げていくというパターン。主に、法人向けのソリューションサービスを提供しているビジネスはこのパターンです。
そして最後が、お客様にWEBサイトを閲覧してもらい、WEB上以外のサービスを利用してもらうパターン。実店舗はこのパターンでしょう。決済や問い合わせなど、WEB上でのお客様のアクションがないパターンです。
一応、(+1)として表現したのが、メディアのパターンです。つまり、WEBサイトを閲覧してもらうこと自体がビジネスになっているというインターネットの活用です。一部の特殊なカテゴリだと思います。
さて、インターネットの活用として3(+1)つのパターンを紹介しましたが、この3つのうち、企業にとって最もチャンスがあり、しかし取り組みが弱くてもったいないのが、2つ目の「WEBを経由して、リアルの営業に繋げていく」パターンではないかと思っています。
最もチャンスがあるのはEコマース・・と言いたいところではありますが、WEB上で決済までができるEコマースは、どうしても全国大会になります。リアルの商売であれば商圏が限られていますが、ネットは全国の商店を相手にしなくてはいけません。
どこにでも売っている商品ばかりを扱っていては見向きもされませんし、オリジナルの独自商品を製造販売したとしても、お客様に「その商品の存在に気づいてもらう」ために様々な努力をしなくてはいけないわけです。
では、3つ目の実店舗パターンはどうなのか。実店舗パターンはEコマースパターンとバッティングをします。インターネットを活用し、実店舗の情報発信を強化して、商品の認知を広げたとしても、同じ商品もしくは類似している商品をEコマースで探されてしまいます。オリジナルの独自商品を製造販売している場合も、Eコマースパターンと同じ「知られる」という悩みがつきまといます。
さて、ここまで話して、2つ目の「BtoBパターン」によりチャンスが潜んでいると思う理由です。
BtoBパターンは、Eコマースや実店舗のBtoCのパターンのように「お客様が商品を購入してひとまず終わり」というものではありません。また、リアルの打ち合わせを通じて、お客様に有益な形に提案を変えながらビジネスを進めていくという特性があります。サービスの提供側と利用側が対面して、意見を出し合いながら新しいサービスをつくっていくわけです。
いいサービスをつくるために、この「対面で話せる」ということがキーポイントになります。インターネットを活用して取引先を探しているお客様は、自ら商圏を絞ってサービス提供側の企業を探してくれます。ここがBtoCのパターンとは異なるところです。
Eコマースはお客様が商圏を絞りません。BtoBはお客様が自ら商圏を絞ります。なので、特段に「違い」のあるサービスをおこなっていなかったとしても、BtoBのインターネット活用は実はまだまだチャンスが潜んでいると思うのです。
全国で講演をしている最中ですが、私が感じているのは「地方で法人向けサービス」をおこなっている会社は、まだまだネット活用のチャンスがあるということです。しっかりWEBサイトを作り、情報発信をすることで、頭ひとつ飛び出せる可能性が非常に高いと感じています。
もちろんEコマースパターン・実店舗パターンだから不利、BtoBパターンだから有利ということはなく、すべては「突破力」次第です。
おわり。