インターネットが騒げば騒ぐほど、牛丼の価格も、回転ずしの価格も上がっていくよ、という話です。
とは言いつつも、このブログでも書いてしまうのですが、また出ましたね。いわゆるバカッターが。
ハサミの天ぷらをツイッター投稿 鯖江の「はま寿司」アルバイト
福井にある回転ずしチェーン・はま寿司の「8号鯖江店」のアルバイトが、調理場でハサミを天ぷらにして、シャリに乗せ「新メニュー作ったぞー!」と投稿した、というもの。
「お客に出してるのと同じ油を使ったのか」とか「もし油の中で、ハサミが欠けてたらどうするんだ」とか「なんでこういうバカがまだいるの?」とか「ゆとり世代がまた馬鹿なことしてる」とか、まあ様々な批判が飛んでいます。個人のモラルの問題とか、親や学校の教育の問題とか、あとは会社(はま寿司はすき家と同じゼンショー・グループ)の問題とか、どこまでが憶測でどこまでが真実なのか、議論のポイントも正直、私はわかりません。
ただ1つ言えることは、みんなが騒げば騒ぐほど、最後は自分達が食べる「回転ずしの価格」が上がっていくよ。ということです。
牛丼や回転ずしに限らず、お安目のファーストフード店には、きちんとした研修を受け、会社としての責任を背負った「正規の社員」がほとんどおりません。時間に1人、後は全員がアルバイト。もしくは、1人も社員がおらず全員がアルバイトという店でさえあります。デフレーションとか、価格破壊って、詰まることそういうことです。
商品の価格を落して、利益を確保するには2パターンしかありませんよね。数を売るか、コストをカットするかのどちらかです。ファーストフードのような実店舗には「商圏」があり、数の上限はそこで決まっています。わざわざ大阪から東京に食べにくるファーストフードってないですよね。せめて店舗(や駅)から数キロってところが商圏です。
では、コストのカットです。利益に利く主な手段は2つ。原材料の見直しと、人件費のカットです。社員1人だと月々40万円かかるコストが、アルバイトなら2人で20万円です。福利厚生もありません。今回のはま寿司と同じゼンショーグループの「すき家」がやって、たっぷり批判された「ワンオペ(ワンオペレーション・1人で店を回すこと)」なんてのは、人件費カットの手段なわけです。
つまり、お客様に低価格で提供するためには、どこかに歪みが出ているということです。ワンオペもそうですし、アルバイト中心の運営体制もそうです。
しかし、インターネットでの炎上によって、店舗が閉鎖してしまう時代です。ゼンショーグループも、インターネットを中心とした批判によって、ワンオペをやめました。ワンオペでないと、収益が取れないということで、一部の店舗においては深夜の営業もやめることになったようです。売上は減り、管理コストはあがります。となると、利益を確保するために次に動くこと、それは「値上げ」ということになります。
・・こんなふうに書いてしまうと、「オイオイ石田って、コンプライアンス違反している会社を守る気なのかよ!批判しちゃいけねぇっつーのかよ!とんでもねぇ野郎だな!」と思われてしまうかもしれませんが、そういうことではありません。
企業が管理コストを上げざるを得ないため、必然的に価格が上がるよ、ということです。そして、管理コストを上げざるを得ない要因として、国民総メディア化した情報社会があるよ、ということですね。これは、避けることができない必然的な流れです。
おそらく、このような状態が適正な状態であって、これまでのような「バレなきゃOK」「批判されなきゃOK」という状態が異常だったんでしょうね。正常に戻っただけとお考えください。この20年をかけて、日本が学んだことです。
しかし、価格はあがります。給料は、上がりません。正に、スタグフレーションの時代の到来です・・(泣
おわり。
[…] ・インターネットで炎上すると、価格が上がる時代です【no.0374】 […]
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