BtoBとしてEコマースを活用できるのか。後編です。(前回はこちら)
前編では、BtoBのEコマースを成功につなげるための3つのステップを紹介しました。
1つ目のステップは、既存のお客様にBtoBのEコマースサイトを利用してもらうこと。2つ目のステップは、既存のお客様がWEBサイトを利用したデータとアンケートでの生の声をもとに、Eコマースサイトをカイゼンしていくこと。そして3つ目が情報メディアの構築をおこない、商品力や企業の信用力をアピールすること。
まずはこの3つのステップを踏んで、よりお客様からの問い合わせや見積、アポイント連絡がくるサイトに仕上げていきます。WEBサイトに新規のお客様を流すのはこの3つのステップの後です。
BtoBビジネスの新規顧客を獲得するとき、インターネットの活用だけで営業活動が進む時代ではありません。情報メディアを立ち上げることで検索からのサイト流入は望めますが、十分な数のお客様がアクセスしてくれることはあまりないでしょう。Eコマースサイトとはいえ、サイトの営業活動はこれまでと同様、リアルの場を中心におこなっていきます。
BtoBのEコマースサイトの成長ストーリーはこのようになります。
まず、リアルの営業活動で会社の存在、商品の存在を知ってもらいます。情報メディアサイトにアクセスしてもらうことで、会社をより信用してもらい、商品により興味をもってもらいます。アカウントID(会員ID)を作成していただき、注文はEコマースサイトの方でおこなってもらうのです。
集客から転換までをすべてインターネットでおこなうのではなく、BtoBのEコマースサイトを活用してもらう(活用し続けてもらう)ために、ところどころリアルを挟むところがポイントです。
BtoBのEコマースをさらに成長させるため、顧客分析を細かくおこなっていくことが欠かせません。
対企業のための顧客データベースを必ず構築してください。このデータベースを活用して、「リアルの営業活動に参加されるのはどんな企業か」「Eコマースサイトに会員登録をしてくれるのはどんな企業か」「どんな業種の企業が、Eコマースサイトをどんな利用をしているか」などの分析をおこないます。
顧客分析を繰り返しおこなっていくことで、BtoBの顧客になってくれやすい業種や、お客様の商品購入のパターン、トレンドの変化などを知ることができます。これらのデータを今度はリアルの営業活動に役立てていくのです。つまり「継続してくれているお客様」を分析することで、営業のアプローチのチューニング(微調整)をおこなっていきます。
BtoBの企業がEコマースをおこなうことは、「インターネットを使って取引先を増やす」「インターネットを使って売上を伸ばす」ということだけではありません。インターネットを使うことで顧客情報を蓄積したり、購買情報や行動情報を集計することで、次の「商品企画」や「販促企画」や「営業活動」につなげていくことができるのです。
ですから、BtoBの企業だからといって、Eコマースを活用しないなんて非常にもったいない。インターネットを活用しないなんてもったいない。リアルビジネスの事業の方向性を決められる情報がたくさん埋まっています。
BtoBのEコマースを成功させるためには、あくまで会員登録をしてくれる企業をどうやって探してくるかがポイントです。ここはネットだけではなくリアルを絡ませて、泥臭く1件1件の会員を増やしていくことをオススメします。ネットよりもリアルでの接触の方が、お客様にとって「決定打」になります。
おわり。