2010年の11月のことなので、もう3年以上前のことになるんですが、私のメールボックスに一通のメールが届いたんですね。「ツイッターで石田さんのお考えに感銘を受けました」という件名だったんですけど、こんなメールがいきなりきたらビックリしないですか?一瞬スパムか何かかなと思うじゃないですか。全くスパムじゃないんですよね。とあるイーコマース事業をされている社長さんからのメッセージだったんです。
当時は、私、まだ前職のサラリーマンでした。つまり、ネットショップのイチ店長だった時代ですね。ちょうど2010年くらいから、将来のことを考え始めていて、自分で何かメッセージを発信したいと考えていました。それで、流行っていたtwitterを使って、イーコマース事業に取り組むときの考え方を発信していたんですよね。一時は6万人くらいフォロワーがいて、今も3万人くらいフォロワーがいるのは、そのときの遺産です。
それで、今になって思うんですが、この「ツイッターで石田さんのお考えに感銘を受けました」とメールをくれた社長さんはスゴイなと。ツイッターに書き込んでいた私より、ツイートをきちんと見ていて、どこの骨かもわからない人間に対して純粋にメールを送った社長さんの方が、全然スゲェんじゃないかと思うんですね。ちなみに、今をときめくショッピングカード会社の社長さんや、今をときめくお弁当デリバリー会社の社長さん、今をときめく登山道具レンタル会社の社長さんも、同じようにtwitterで私のツイートを見て反応してくれて、それから関係が続いています。
で、今日のブログでは何が言いたいかというと、これだけの情報が氾濫している時代でも、あまたある情報の中から自分にとってキラメく情報を発見して、それを真剣に見てくれて、しかも、立場関係なく連絡をくれる人がいる、ってことなんですね。いや、ごめんなさい、表現が逆でした。そういう人もいるけれども、ほとんどの人は有益な情報やサービスや製品を「真面目に見てない」ってことなんですよ。その「真面目に見てない」は、決してその人の批判をしているわけじゃなくて、仕方ないことなんですよね。日々、玉石混交の情報やサービスや製品に触れていて、なおかつ自分の仕事や家庭や人生があって、そんな中で、全てを「真面目に真剣に」見ているわけがないじゃないですか、という話です。
世の中には、本当に有益な情報や、課題を解決してくれるサービスや、人生を豊かにしてくれる製品があって、情報やサービスや製品の発信者は、頑張って頑張ってその有益性を、利益を享受できる人に伝えようとするんだけど、相手は「真面目に真剣に」見たり、聞いてはいません。残念ながら。じゃあ、どうすればいいかというと、言い方を変え、表現を変え、事例や例え話を駆使して、ひたすら伝え続けなきゃいけないわけです。どこかの誰かが気づいて、噂をしてくれるまで、自分が発信し続けなきゃいけないんですね。
ただ大切なのは、「真面目に真剣に」見て聞いてくれていない人は、反応はしてくれないけれども、決して情報やサービスや製品を否定的に感じているわけじゃないってことです。単に「真面目に真剣に」考えていないだけ。だから、他の誰かがその情報やサービスや製品の有益性について噂を始めると、「えっ!?そういうことだったの?早く言ってよ~!」と言い始めます。そこで、発信者は思うわけです。「いやいや、これあなたに前から伝えていることですよ」と。そんなもんなんです。単に「真面目に真剣に」見聞き、考えていないだけ。だから、「諦めずに飽きずに」続けるしかないってことです。情報やサービスや製品が受け入れられないのは、多くの場合、それ自体の問題じゃなく、伝えきれてないことが問題ということなんですね。
ここまで書いて思うのは、あの「ツイッターで石田さんのお考えに感銘を受けました」とメールをくれた社長さんはやっぱりスゴイなと。だって、見ず知らずの、しかもネットショップのイチ店員の意見を「真面目に真剣に」読んでくれてた、ってことじゃないですか。もちろん、その後この方とはお会いして、今でも関係が続いていますが、非常に素晴らしい方ですよ。尊敬する経営者のひとりです。
おわり。