きたれ女性と若者!競馬人気をまくり差せ!競艇場「売上アップ」マーケティング。(前回はこちら)
イベントホールの活用、売店の商品ラインナップ、食堂のメニューのカイゼン、場内・トイレ掃除、選手によるファンサービス・・このすべてを「データを取って、毎日カイゼン」のマーケティング理論でおこなえば必ず成果が出ます。
*成果のために「少し時間がかかる」理由
だた、このマーケティング理論を徹底して成果を出すのは、困ったことに「少し時間がかかる」ことです。
なぜなら、カイゼンを進めていくための源泉が「数字の比較」であるからです。昨日と今日と明日のデータの比較、今月と来月のデータの比較、前年同月とのデータ比較というように、「同一期間同一条件」の「因果関係」を比較しながら、より成果に効くカイゼンを探していくことになります。もしも競艇場が「今月、来月に売上が上がらないとヤバイんです」という状況であるならば、このマーケティング理論は使えません。
「今月、来月に売上が上がらないとヤバイんです」という場合に取る手段は「伸るか反るか」の施策です。こういった場合は、施策を選択するためのエビデンス(根拠)が十分にない中で、施策を打たなければいけません。つまりギャンブルです。多くの場合、広告に大金を投下するか大ヒット商品候補を開発するかのどちらかになりますが、やはり根拠がないことが弱く、ほとんどパターンが外れます。そして「伸るか反るか」の選択はマーケティングチームではなく、経営者の選択です。チームメンバーの出る幕ではありません。
あくまで、いま多少の余裕を持って事業が回っているからこそ、しっかりとした「マーケティングの原理原則」の階段を着実に上がっていくことができるわけです。
*アプローチ・施策を着実にブラッシュアップする
ここまでをまとめます。
まずは競艇場としてマーケティング活動をおこなう「顧客像(ペルソナ)」を設定すること。そして、その「顧客像(ペルソナ)」は、「若い女性」というような「隣の芝は青い」「ブルーオーシャン」思考から選択するのではなく、すでに需要があり、しかもまだその需要を取り切れていない「中年男性」をまず対象にするのが良いこと。そして、商圏を徹底的に絞ること。限られた条件の中でお客様を呼びこむための「ノウハウ」が会社に蓄積されていきます。
日々、「実行数値管理表」をつけること。マーケティングチームのメンバーは必ずつけなければいけません。できれば、競艇場の運営に関わるスタッフが、前日の「来場者数」を毎日チェックしていれば理想です。この状況になると、必ず「売上アップ」が望めるようになります。
おこなった施策を管理シートに残すこと。そして、施策をおこなったときに、どのような成果が出たかをデータ集計しておくこと。これを積み重ねておくことで、次の施策を決めるときの役に立ちます。データが残っていないと「あれは良かったような気がする」とか「このアイデアは良いアイデアのような気がする」というような「主観的」で「定性的」な判断しかできません。
しかし、データをきちんと取って残しておくと、「あの企画で500人の来場があった。こちらの企画は300人だった」とか「このアイデアは、以前1,000人来場者があったときのケースに似ているから良い」というように「客観的」で「定量的」な判断ができるようになります。デジタルの時代を生き抜くためには、この「客観的」で「定量的」という材料をいかにして活かすがが重要になります。
以上を愚直に続けることによって、お客様に対するアプローチ・施策は日を追うごとにブラッシュアップされます。1年2年3年と続けていけば、競艇場の売上はグングンと上がっていくでしょう。
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