よく相談をいただくのが、「うちのサイトってどうですか?」という質問です。
ホームページでも、WEBサービスでも、ECサイトでも、WEBサイトは立ち上げた。そして、これからインターネットを活用してビジネスを成長させていきたい。そのために、「プロの方は自社のWEBサイトをどう見られるのか、知りたい」というわけです。(プロ=一応、弊社のことです。照)
しかし、その答えは必ず期待外れのものです。「わからない」というのが答えですから。
WEBサイトのデザイン目線や、レイアウト目線でのアドバイスを求めているなら、「最近のごく一般的なWEBサイトと比べて、どうか?」ということならお答えすることができます。デザインがちょっと古いですねとか、画像の加工がちょっと粗いですねとか、ライトナビを活用するよりもここはレフトナビの方がいいんじゃないじゃなとか、フッターの情報が少し少ないかもしれませんねとか、そういうことならお伝えすることができます。
でも、デザイン目線やレイアウト目線のアドバイスは、WEB制作を専門として生業の方に聞く方がいいでしょう。私なぞ(弊社の開発メンバーは別として)、細かい部分に関してはズブの素人です。弊社に相談してもらえているということは、成果目線(コンバージョン目線)でのアドバイスを求めているのではないかと思うのです。
そうなると、やっぱり「わからない」という、つまらない答えになってしまいます。
なぜ、WEBサイトが良いのか、悪いのか「わからない」かと言えば、WEBビジネスの成果は「後天的」なものだからです。WEBサイトをオープンさせた後、「データをとって、毎日カイゼン」を繰り返していくことで、成果が生まれてきます。オープンさせた時点で、「成果が出るか否か」が決まっているわけではありません。なので、極端な表現をすれば、スタート時のデザインとレイアウトなど「どうでもいい」のです。
むしろ、スタート時のWEBサイトが思うように機能しない、成果を生まなかったとき、次の改善策をどれくらい持っているか。WEBサイトを成功させる上では、そちらの方が重要です。WEBサイトのデザイン・レイアウトを変えるのか、製品・サービスページの説明を変えるのか、イラスト・画像・動画を加えるのか、WEBサイトへの導線を変えるのか、手段は様々あると思います。
これで成果が出なかったら、あれをやる。あれで成果が出なかったら、それをやる。それで成果が出なかったら、ここをいじる。というように、WEBサイトの改善を回していくことのイメージを持っておくことです。そして、WEBサイトの改善を「データ分析」により、選択・判断できることが理想的です。WEBサイトをスタートする際に、次の改善策を100コ用意してあることが理想ですが、「データ」を見て改善策が思いつくなら、特に100コの準備をしておく必要はありません。
成果目線(コンバージョン目線)でアドバイスするなら、WEBサイトが良いか悪いかは「わからない」。WEBサイトが良いか悪いかのアドバイスを聞くよりも、どうやってWEBサイトの「成果を判断」するかのアドバイスをもらった方が、はるかに有益であると思います。
ちなみに、データ分析においても「うちのWEBサイトの数字って一般的にどうですか?」という質問をよく受けます。平均PV数や滞在時間、直帰率などの数字が一般的なのか否かという意味です。これも、質問される方の気持ちはよくわかるのですが、WEBサイトの目的、商材(サービス内容)、運用方法によって全く異なります。そして、1つ1つが固有のケースなので、何ともコメントができません。
平均PVが2ページ前後、滞在時間が1分前後、直帰率が80%前後であれば、「まあ、普通なんじゃないですか」とお答えしています。一応、こう答えはしますが、各々のケースによって異なりますから、単なる「気休め」以外の何物でもありません。結局は、データも「過去の自分との戦い」です。
おわり。