(前回はこちら)
岩本さんの前では、僕はよく愚痴をこぼした。あまり仕事が上手くいっていなかった時期は、他人が余計にうらやましく見えるときもあった。また、周りの人に会社について「あーしたほうがいいよ。こうしたほうがいいよ」とアドバイスが飛んできて、うまくかわしきれないこともあった。
そんなとき、岩本さんは「西田は他の人間にはなれない。西田には西田のいいところがある。いい部分をみて、伸ばしていって欲しい」といった。わかっていても、簡単ではないことだ。いまでも、他人がうらやましくなったり、他人のアドバイスに戸惑ったりすることがある。でも、そんなときは岩本さんからもらったこの言葉を思い出すようにしている。
結局は自己流を貫き続けるしかないんだよ―――。
あとひとつ、紹介したい。僕が岩本さんから教えてもらった、一番大切なこと。それは「続ける」ということだ。「続ける」から新しい発見がある。「続ける」から努力をする。「続ける」から知恵を振り絞って考える。「続ける」ことが成功へとつながっていく。一度決めたことは、原則として徹底的に「続ける」。この「原則を大事にする」「徹底する」「続ける」は会社の事業としても、もっとも大事なキーワードになった。
岩本さんと約束した、「続ける」ことが2つある。
ひとつは自社セミナー。2013年の8月からスタートして、12月以外の年11回、毎月定例で開催をしている。自社セミナーの開催を続けることもさることながら、必ず「10社」もしくは「10名」に集まってもらうということも、岩本さんと約束したことだ。
単にセミナーを開催するなら、時間とお金があればできる。10人集まってもらうためには、自分が動かなくてはいけない。しかも、毎月、毎回10人に集まってもらうための努力が必要。当然、そこに広告費はかけない。自分の足と声掛けで集まってもらう。2016年11月現在で36回の自社セミナーを開催しているが、お陰様ですべての回で10人の方に集まってもらうことができている。
もうひとつは、いまあなたに読んでいただいているこのブログだ。このブログは2013年の9月にスタートした。Eコマースに役立つノウハウ、WEBチームの作り方、会社の考え方などをよりたくさんの方に伝えるためにスタートさせた。
岩本さんとの約束は、毎日更新すること、そして毎日1,500文字以上の文章を書くこと。なぜ毎日なのか、なぜ1日1,500文字なのか。それは、初めに「毎日書く」「1,500文字書く」と決めたからだ。それ以上でもそれ以下でもない理由である。一度決めたら、原則はぶらさない、徹底する、続ける。これが岩本流なのだ。ブログもなんとか1,100回以上を継続することができている。
2016年の7月6日。会社主催で初めての交流会をすることになった。コンサルティングをさせてもらっているクライアントの方々、いつもお世話になっている方々をお呼びして、相互の交流を深めてもらおうという会だ。交流会の前に、岩本さんに特別インタビューをしてもらうことにした。岩本さんとも親交が深いクライアントのふたりを、岩本さんがインタビューする。その予定だった。
交流会まであと2週間というある日、岩本さんが体調を崩した。病院へいくと、すぐに入院をしなくてはいけない状態だったという。「西田、7月の交流会、入院しなくちゃいけないことになった。申し訳ない」。岩本さんから連絡がきた。ほんの4ヵ月前のことだ。
つづきはこちら。
[…] 2016-11-10チョウチンアンコウ。13【no.1145】 (前回はこちら) 岩本さんの前では、僕はよく愚痴をこぼした。あまり仕事が上手くいっていなかった時期 […] Read More […]
[…] (前回はこちら) […]