広告は、「広告選び」で半分の勝負が決まるといっても過言ではないと思う。
特にネットショップが広告を出稿する場合、「どの商品を、どんな販促をつけて、どんな画像と文言で伝えようかな」と、広告内容に考えがいきがちなのだが、もっと「広告選び」に時間と労力を使って良い。
どこに広告を出すか、どんなキャンペーンに広告を出すかは、「どんなお客様に広告を見せるか」「どんなニーズに対して広告を見せるか」に大きく関わってくる。わかりやすくいえば、パソコン雑誌にゴルフクラブの広告を出してもその効果は弱い。サマーキャンペーンの企画にブーツの広告を出してもその効果は弱い。
どこに広告を出すか、どんなキャンペーンに広告を出すかは、「情報を伝えるそもそものお客様の数」に関わる。パソコン雑誌を読んでいるお客様の中にもゴルフが好きな人はいるだろうから、必ずしもゼロではない。逆張りで「目立たせる」方法もないことはないが、「お客様がいるところに釣竿を垂らす」がセオリーではある。
パソコン雑誌にゴルフクラブの広告を出してしまう例はあまりないかもしれないが、サマーキャンペーンの企画にブーツの広告を出してしまうようなことに「近い」ことは往々にして起こってしまっている。お客様が「セール商品を求めてくるのか」「新作商品を求めてくるのか」「食品なのかアパレルなのか」「学生かサラリーマンか」、何を求め、どんなテンションでサイトにやってくるのか、事前に予測しておかなければいけない。
この想定がズレると、どんないい商品を広告に当てたとして、十分はパフォーマンスが出ない。結果、「広告枠がダメだったのだろうか」「広告の入稿内容がダメだったのだろうか」「それとも商品がダメだったのだろうか」と、次の施策に向けての課題がひとつ多く増えてしまうことになる。
だから、広告に当てる商品、広告に当てる販促企画は、「広告」によって決める。どこに載る広告か、どんなテーマで載る広告かを理解した上で決める。自分たちにどうしても売りたい商品があったとして、その商品の売り方に合う広告がなければ、広告を使ってはいけない。ここが一歩目。
適切な「広告選び」ができたら、広告内容を作成する。広告のテーマと、出稿する広告画像と広告テキストにズレがないことが大切。ブランド感を求めているお客様に安売りのテキストを出したら、お客様が引いてしまう。「テーマ=画像=テキスト」の三位一体の広告作成を。
また「広告選び」は、広告を出稿するたびに上手になっていきます。広告を出稿すれば、その成果を分析できるようになるならです。だから、広告を出稿するたびに「広告選び」が上手にならなければいけないんですね。毎回「広告選び」に困るということは、広告の分析ができていない、取捨選択の判断基準がつくれていないということになります。
だから、広告は100万円の広告を1回やるよりも、5万円の広告を20回続けることがセオリーです。特にインターネット広告の場合は、「マーケティングデータを取るため」にトライする回数を増やすのが理想。「テーマ=画像=テキスト」を作るのが上手になりますし、何よりデータからより改善を加速させていくことができます。
1回100万円の広告を張るのは、5万円の広告を20回続けて、自社の商品の「インターネット上での勝ち筋」が見えてきた後です。ここを見誤って、「リアルの世界での勝ち筋」で1回100万円の勝負をすると、思った以上の惨敗を食らう可能性があります。
おわり。