データの分析方法として、ECMJブログでも3つの比較を紹介してきました。
一つ目は、前年同月との比較。2016年の8月ならば、比較するのは2015年の8月。この1年間の改善がどのように結果に出ているのか、もっともシンプルな比較かなと思います。とにかく、ビジネスは前年同月を1%でも超え続けることが大切ですよね。
二つ目は、前月との比較。2016年の8月ならば、2016年の7月。この1か月間での改善がどのように数字に見えているのかだけではなく、トレンドや市場の傾向がどの方向に向かっていったのかを知るための比較にもなります。思ったよりも伸びていた、思ったよりも伸びなかったの裏には、何かの傾向が関わっている可能性があります。
三つ目、これが今回のブログのメインテーマです。前年同月と前年次月との比較です。2016年8月ならば、2015年8月と2015年9月との比較をおこなうのです。
一つ目の比較が自社の改善、いわゆる「内的要因」の成果管理。二つ目の比較が自社の改善と市場の傾向という「内的要因+外的要因」の成果管理。そして、この三つ目の比較は、これからの季節に向けて市場がどう動いていくかという、「外的要因」の成果管理ということになります。
ちょうど8月という夏の季節が終わる時期です。9月から、気温はまだ暖かい日々が続くものの、お客様の気持ちとしては秋冬、年末年始に向かって気持ちが動いていきます。ビジネスとしても8月の夏休みが終わって9月に入ると、いよいよ後期の戦略が始まっていきます。8月から9月というのは、人間の気持が大きく変わるタイミングです。
このタイミングだからこそ、追っておきたいのが、前年次月のデータです。ネットショップの場合、2015年9月、10月、11月の月次データを比較するミーティングの機会をつくりたいところです。もし「実行数値管理表」を毎日きちんと付けているネットショップさんがいたならば、2015年の3か月のデータを並べてみてください。いつから何が売れるようになったかが、「実行数値管理表」に残されているはずです。
「実行数値管理表」「商品別販売実績表」「商品別アクセス実績表」。この3つのデータを3か月分確認します。2015年の9月に起こったことは何か、2015年の10月に販売実績ランキングの上位に入ってきた商品は何か、2016年の11月にアクセスが高かった商品は何か。これを知ることが、今年の秋冬の販売戦略に役立ちます。頭で理解していたとしても、意外ときちんと確認する機会をつくらないようなことです。
前年同月と前年次月(以降3か月)の比較をおこない、販売戦略としてみえてきたことを元にして、秋冬の販売スケジュールを決めましょう。新年度の段階でつくった販売スケジュールを改善する形でも結構です。たとえば、2015年10月に商品Aがたくさん売れていたとして、今年は商品Aの販売をより強化しようと考えたならば、準備をするのはどうしても1か月ほど前になるでしょう。そうなると、スタートは2016年9月です。もうすぐ、動かなければいけないことになります。
前年次月のデータを確認して、去年の未来には何が起こっていたかを確認します。必ずしも、今年も同じ傾向が生じるわけではありません。去年でトレンドが終わったこともあるでしょう。ただ、前年同月との比較、前月の比較の情報だけで施策を決めるよりも、はるかに精度が高い販売戦略を組めることは間違いありません。まずは土台をしっかりつくることです。
おわり。