きっかけは、たまたま夜の食事にいったことでした。
仲良くしてもらっている経営者の先輩から、その日の昼、突然「石田くん、今日は忙しい?」という連絡がきました。あいにく昼の予定はいっぱい。夕方からECMJセミナーを開催する日だったので、21時にならないと身体が空きません。「セミナー終わった後でもいいから、余力あったら連絡してよ」。普段ならお断りするシチュエーションなのですが(なぜならセミナーで体力を使い果たす)、その日は食事をすることにしました。
その経営者の先輩、最近、ECMJブログを読んでくれているとのことなのです。もしかしたら、今日のブログも読んでくれているかもしれません。「いろんなこと書いてておもろいなぁ~」「あれ、まとめたら本とか出せるんちゃう?」とか、ブログについて関西弁で意見をくれます。まあ、飲みの席ですし、「ありがとうございます」と言いながら、ビールを口に運んでいたのですが、ひとつ私に引っかかるアイデアをもらうことができたのです。
「石田くん、あのな、『こうやったらネットは失敗する』ってのが読んでみたいんだけども、それ書いてみれば?」
「ん?」と思いました。そして、すぐに「なんだか面白そうかも」と思いました。また、いままで自分が書いてきたことや経験してきたことを出していけば、「こうやったらネットは失敗する」という文章をたくさん重ねていくことはできるだろうと、直観的に感じました。
「あのな、石田くん、ちまたには『こうやったらネットは成功する』って本がいっぱいあるやろ。ネットにもいっぱい載ってるやろ。でもな、『成功』なんてのは、必ず条件やタイミングが重なって生まれてくるものなんや。だから、はっきり言って、成功事例なんて何の参考にもならん。でも、『失敗』は違う。ビジネスの『原理原則』に逆らったら必ず『失敗』するんや。これは、条件やタイミングに関係なく、誰の身にも起こることや。だから、俺は『こうやったら失敗する』が読んでみたいな」
・・と、ここまで先輩が丁寧に説明したかはよく覚えていませんが、私の耳にはそう聞こえました。そして、野村克也元監督がいう「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉が思い浮かびました。
そうなのです。「成功」というのは、特定の条件やタイミングが重なって起こることなのです。極端に言ってしまえば、「たまたま」です。もちろん、その「たまたま」をつかみ、広げていけるかは実力に関わるところではありますが、でもやっぱり「たまたま」。成功事例をそのまま真似たって、成功することはないんですね。だから、実は成功事例の講演会って、あんまり意味がないような・・(この先触れず)
しかし「失敗」には「たまたま」はありません。「成功」が条件やタイミングのような「外部環境」に支配されているとするならば、「失敗」はすべて「内部環境」に依存しています。つまり、「成功」は何か自分のおよばない力により起こっていたとしても、「失敗」はすべて自分の力のおよぶ範囲でしか起こらないということです。原理原則にしたがった行動を自分自身が取れていれば、「失敗」は回避することができます。インターネットの活用について、そのためのコンパスができればよいと思いました。
・・というわけで、紹介が長くなりましたが、ECMJブログの新連載、「こうやったらネットは『失敗』する」の始まり始まり~。随時更新していきますので、お楽しみに・・!
おわり。