ブランドとは「信用」。では、お客様から「信用」を得るために必要なことは?(前回はこちら)
高い利益率を実現するためには「信用」が大切?
「ブランドとは、『信用』ではないでしょうか」
鬼切社長はいいました。友花里さんは鬼切社長の言葉を聞くと、小さく頷きました。
「私がいまお伝えしたブランドの『魔術』って、たしかに『信用』のような気がします。ファッションブランドの商品をみると、デザインが自然に良いと思ってしまいます。それは、知らず知らずのうちに『信用』がみせているマジックなのかもしれません。そう考えると、できたばかりの知らないブランドの商品を『良い』と思わないことの説明がつくような気がします」
友花里さんは鬼切社長の話に納得したようでした。ただ七海さんは、まだそれほど理解をしていないようでしたが・・。
鬼切社長が「信用」について話を深く掘り下げます。
「ブランドというものが『信用』によって成り立っているとします。ならば、お客様からの『信用』を得るにはどうすればいいのか、という話になります。元々、話の発端は『高い利益率』を実現するには、ということでした。ということは『信用=高い利益率』という公式が成り立つということですね。じゃあ、七海さん、お客様の『信用』を得るには、どうすれば良いと思いますか?」
お客様の期待にこたえ「続ける」こと
まだイマイチ理解が進んでいなそうな七海さんに鬼切社長は切り込みました。
「お客様の『信用』を得るには・・ですね。う~ん、どうでしょうか。お客様の『信用を裏切らない』ことではないでしょうか。もしくはお客様の『期待に応える』こと、でしょうか」
七海さんのこたえを聞いて、鬼切社長の顔はパッと明るくなりました。鬼切社長は思わず「おっ!いいですねぇ!」と言いました。
「七海さん、いいですねぇ。私も同じ意見です。お客様の『信用』を得るには、お客様の『信用を裏切らない』こと。そしてお客様の『期待に応える』こと。このふたつが大切ですね。ただ、もうひとつこのふたつに言葉のスパイスを加えたいと思います。それは『続ける』という言葉です」
鬼切社長の言葉を聞いて、友花里さんが言いました。
「つまり、単に『信用を裏切らない』『期待に応える』ことではなく、『信頼を裏切らない』ことを続ける。つまり『期待に応える』ことを続ける、ってことですか?」
友花里さんの方を振り向いて、鬼切社長は大きく頷きました。
「『信頼を裏切らない』ことを続ける、『期待に応える』ことを続ける。1度や2度、『信頼を裏切らない』ことはできるかもしれません。1度や2度、『期待に応える』ことはできるかもしれません。ただ、これを100回、200回と積み重ねていくのは大変なことです。この積み重ねこそが、イコール『信用』ということではないでしょうか」
会社の価値は「利益率」ともうひとつは何か?
「そして、その『信用』のポイントは、『続ける』というところにあるのですね」
友花里さんは納得して言いました。鬼切社長は友花里さんにひとつ質問をしました。
「友花里さん、ここで思い出してもらいたいことがあります。会社の価値として、『利益率』ともう一つ、お金では買えない何かの話をしたのを覚えていませんか?」
「たしか、『年数』でしたよね。会社がどれくらい事業を継続できているかという・・。あっ!!」
友花里さんは何かに気づいたように声を上げました。鬼切社長は小さく、ふふっと笑いました。
「ここでも『継続』という言葉が出てきました。『年数』、『利益率』ともに『続ける』というキーワードがポイントなんですね。驚きました」
「さすが、理解が早いですね」
鬼切社長は満足そうな笑顔を見せました。
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