スタッフの皆さんに継続して努力をしてもらうためには「褒める」ということがやはり大切です。
*「叱り」が通用するのは稀なパターン
「叱る」という方法でやる気を出させる、という方法もあることはあるのかもしれませんが、基本的に叱って「なにくそ!」とやる気を出すのは、本人にどこか強い意志があるからであって、「叱り」が通用するのはごく稀なパターンだと思います。
たとえば部活とか。たとえば経営者とか。たとえば子育てとか。自分が選んだ道を進んでいる場合には「叱る」ことによって「なにくそ!」「頑張るぞ!」となります。ただ、仕事について、職種や業界は自分で選択していたとしても、細かい仕事内容は自分で選択していない(できない)ケースが多いと思います。これでは「叱り」は通用しません。やはり基本は「褒める」こと。褒めて、相手を認め、努力を継続してもらうことが大切です。
となると、どんなタイミングで「褒める」のがいいのか、という話になります。
*相手が褒めてもらいたいときに「褒める」
目標の数字を達成したとき、今までできなかったことができるようになったとき、年次やプロジェクトの終わり・・など、タイミングは様々あると思います。ただ、目標を達成できなかったら褒められることはないのか、できることは常に増やさなければいけないのか、年次の終わりには何もなくとも自動的に褒められるのか、と考えると妙です。
ひとつの考え方としておすすめしたいのが、「相手が褒めてもらいたいときに『褒める』」ということです。
数字が上がってきたことをスタッフの方が喜んでいたら、褒める。完璧ではなくとも、少しスキルがついてきたことに自信を持っていたら、褒める。年次やプロジェクトの終わり・・でスタッフの方がホッとしていたら、褒める。「この状態になったら褒めよう」と自分で決めるのではなく、相手の様子をみて「褒める」のがいいと思うんですね。
褒めてもらいたいタイミング、認めて欲しいタイミングには必ず何かしらのサインが出ます。そのサインの多くは「言葉」です。
たとえば、いままであまり売上の話に積極的でなかったスタッフの方が、「こんな売上がありました!」と自分から発言をしてきたら、褒めます。褒めて欲しい、認めて欲しい、何かしらのポジティブなリアクションが欲しいからこそ、いままで出していなかった話を脈絡もなく切り出すのです。
「こんな売上がありました!」の内容が、設定している目標数字には足りないものかもしれません。それでも「いいじゃないですか!この調子でいきましょう!」と褒めてください。やってはいけないのが、理想には足りないからといって「いやいや、そんな売上じゃ足りないでしょ」みたいな発言や反応をしてしまうことです。これをやってしまっている経営者の方とか、多いのではないでしょうか。
*「認めて欲しい」サインを見逃さないこと
結果は当然大切です。一番大事です。ただ、結果が出るためには過程があります。その過程をすっ飛ばすことはできません。また、すぐに結果が出ることもあれば結果まで時間がかかることもあります。大切なのは、結果に繋がるまで現場のスタッフの方に改善活動を継続してもらうことです。そう考えると、「相手が褒めてもらいたいときに『褒める』」のが良いと思います。
そのためにもスタッフの皆さんに目を配り、「褒めて欲しい」「認めて欲しい」サインを見逃さないことです。まずは「言葉」から、そして「表情」や「しぐさ」。相手が切り出す前に「褒める」ことができるようになれば、「自分を見ていてくれているんだ!」とより意欲が高まります。