「実行数値管理表」を使っての、ミーティングの回し方。3です。(前回はこちら)
前回「実行数値管理表」を使ったミーティングについて、具体的な回し方の話に入っていきました。まずは5つの数値項目の列をひとつずつ確認して、数字とその原因を共有していきましょう、という話でした。これを5つの項目についておこなっていきます。
数字という結果とその結果を引き起こした原因、がはっきりしている場合は良いのですが、「なぜそうなったのかはわからない」ということも数多くあると思います。「アクセスが高かったのはわかるけど、なぜ突然数字が動いたのかはわからない」「受注件数がいきなり増えたけども、理由はわからない」などです。
「数字は動いているけれど、その理由ははっきりとわからない」。そんなときは、ミーティングの参加メンバーで議論をすることになります。数字が動いたことへの「仮説」を立てるわけです。
ここでの対応方法としてはふたつあります。
ひとつは、ひとまず今後の状況をみましょうと、する場合。様子をみるという結論に達したとしても、そのまま「実行数値管理表」を流すのではなく、「実行数値管理表」に疑問点、経過を見るという旨を書きこんでおくのが大切です。次回のミーティング以降に今回の「実行数値管理表」を見直し、「前回の疑問点は解決したか?」を確認することになります。
もうひとつは数字が動いたことへの「仮説」に基づいて、なんらかのアクションを加えるということ。こちらについても、「なぜその仮説を考え、なぜそのアクションを実行するのか。どんな効果が期待できるのか」ということをしっかり残しておいた方がよいです。こういうのって、きちんと書き残しておかないと忘れてしまうんですよね。
数字を見る、理由を話す、理由がわからなければ仮説を立てる。「実行数値管理表」を使ってこの順番でミーティングをおこない、最後に次回のミーティングまでに実行する施策を決めます。実行する施策はおおまかに分けて5パターンでしょうか。解説を加えていきます。
1、実行継続・実行ブラッシュアップパターン
ひとつは同じアクションを引き続き実行していく、というもの。「実行数値管理表」を確認して、自分たちが起こしたアクション(内的要因)として効果が出ているならば、当然「実行継続」ということになります。もしくは、数字の出方として、さらに効果が期待できる「鉱脈」だと考えられるならば、実行の量を変えるか質を変えるかして、「実行ブラッシュアップ」するというのもアリです。
2、仮説検証パターン
今回詳しく紹介した「数字は動いているけれど、その理由ははっきりとわからない」パターンは、なんらかの「仮説」をもって次のアクションに繋げることができます。「もしかしたら全く結果が出ないかもしれないけれども、実行してみたら何かがわかるかもしれない」程度のアクションが仮説検証パターンです。組織、チーム、会社の文化として「まずはやってみる」という意識がなければなかなか難しいかもしれませんね。
3、全く新しいことパターン
これまで結果が出ているわけでもないし、「実行数値管理表」から想定される仮説もないのだけれども、実行してみたいことのパターンです。全く新しいひらめき的な発想の場合もありますし、自社のデータには出ていないけれど季節要因・トレンドで傾向が出ていることの実践案のこともあります。データはあくまでデータで守備範囲が決まっているものなので、全く新しい試みが可能性を広げる場合もありえます。
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