ネットショップの「競合分析」の考え方について紹介をしています。(前回はこちら)
まず前提の話として、「競合分析」とは、「競合が何をおこなっているか」と「競合の数字は動いているか」のふたつのポイントを意識することが大切だとお伝えしました。そして「競合分析」をするとき、「競合が何をおこなっているか」と「競合の数字は動いているか」をできる限りセットで考えることも大切です。
競合のネットショップがこんな販促企画を始めた、競合のネットショップがこの商品の価格を下げてきている・・定例のミーティングでの競合分析としてよく報告があがるパターンだと思います。競合の情報としては有益なのですが、競合分析としてどうかと考えるともう一歩踏み込みたいところです。
逆に「何をおこなっているか」だけではなく、「数字は動いているか」つまり「結果」の話だけの情報もいま一歩です。例えば、「競合のネットショップのこの商品がランキング入りしている」とか「競合のネットショップのこの商品が1万個売れたらしい」とか、こちらもあくまで「結果」の話ということになります。
理想としては、「競合のネットショップのこの商品がランキング入りしている。この1週間の動きをみる限り、広告を出稿していることと、販促のクーポンを付与していることが大きいのではないか」というように、「施策と結果」を繋げて分析ができれば良いです。
「施策はわかっても、結果がわからない」「結果はわかっても、施策はわからない」ことがほとんどですから、あくまで「意識をしておく」ということだけでも前進になります。
「競合が何をおこなっているか」を追っていく簡単な方法があります。競合ネットショップの「お客様」になってしまうことです。「競合分析」というと、どうしてもWEBサイトから確認できる範囲、パソコンやスマートフォン上から確認できる範囲をみるようになることが多いですが、それだとやはり表面上の分析になってしまいます。
ネットショップの運用には、販売商品や広告出稿、集客手段、商品説明文や商品画像など、いわゆる「フロント面」の改善があります。フロント面の改善がより売上やアクセスの成果には近くなりますが、お客様からの注文を受ける直前、注文を受けた後の「バックヤード面」の改善もネットショップの価値を測る上で大切です。
実際に競合のネットショップで商品を探して、カテゴリ分けを確認し、商品ページを確認する。配送情報や決済情報はどう見せているか、画面設定をどうしているかを確認する。商品を購入して、購入完了メールやフォローメールがどのタイミングで配信されてくるか、どんな内容を含んでいるかを確認する。以後、メールマガジンがどのタイミングで送られてきて、どんな提案手法を使っているのかを確認する。
自分自身が競合のネットショップのお客様になることで、競合がお客様にどんな顧客体験を提供しているのかを、ある一時点ではなく線として感じることができるようになります。
競合のネットショップのお客様になりきる、ということを考えると、ひとりのネットショップの担当者が競合分析できるネットショップは多くても3-4店舗ではないでしょうか。10店舗や20店舗、たくさんのネットショップの動きをかいつまんで分析するよりも、まずはひとりが1店舗、しっかりその流れを追って分析をしていく方が、より有益な「自社のネットショップとの比較」の情報を得ることができます。
自社のネットショップの運用改善と合わせて、競合分析も着実に業務フローに入れていきましょう。
おわり。