著者:石田 麻琴

マーケティングに人を合わせるのではなく、人にマーケティングを合わせる【no.0978】

 先日、今までになかったタイプのセミナーのオファーをいただきました。今回はちょっとネタバレブログということになります。あまり具体的な話はセミナー内でしか話せないので、ある程度一般論の話になってしまうとは思いますが。

 依頼いただいたテーマなんですけれども、「人財育成についてフォーカスして話してくれないか」ということでした。

 ECMJセミナーにお越しいただいたことがある方、もしくは私の講演会に参加されたことがある方は、「データを軸として、マーケティングと人財育成を一体化させる」という視点をご存じかなと思います。そこの「データ活用」と「マーケティング」の部分を引っこ抜いて、「人財育成」の部分だけを掘り下げて話して欲しい、ということなんですね。

 「人財育成」の部分、というのはつまるところ、「石田さんはクライアントさんのスタッフにどうやってモチベーションアップしてもらってますか?」ということみたいなのです。「どうやって実践をやってもらっていますか」ということを掘り下げて聞きたいみたいなんですね。

 実は以前にも同じようなお話しをいただいたことがありまして、「実際に石田さんがどうやって現場のみなさんに実践してもらっているかを話して欲しい」というものでした。これについては実現しなかったわけですが、今回はセミナーが設定されましたので、おそらく実現する運びになりそうです。

 ここに対するまず最初の答えです。現実に、私が現場のスタッフの方のモチベーションアップをすることで、実行に動いてもらっているわけではない、ということです。私は、元々「きちんとインターネットで成果を出さなければいけない!」と理解をしているスタッフの方をサポートしているに過ぎません。なので、現場のスタッフの方が責任感を持っていて、危機感を持っていて、優秀な方なわけです。

 変な話、実際にコンサルティングをする方が「責任感を持っている方」でなかったとしたら、ECMJはコンサルティング契約を結びません。なので、第一に、「元から実践しなきゃいけないことをわかっている人」と一緒にやることが重要だということです。元も子もない話かもしれませんが。

 しかし、元々責任感をしっかりお持ちで、危機感も持っている方がいたとしても、「インターネットを使ってどうアプローチをすればいいかわからない」これも事実です。「なんとなくこうではないかと思っているけれども、100%の自信はない」というスタッフの方もいらっしゃいます。ここで、待っていましたコンサルタントの出番、ということになります。

 「人に動いてもらうこと」がすなわち「人財育成」だと考えられるならば、「人財育成」のコツは相手のことを理解しようとすることではないかと思います。コンサルティングやインターネット戦略、という言葉があると、どうしてもマーケティングの軸が決まっていて、そこに人が合わせていくような印象を受けます。しかし、実際は真逆で、「人に対してマーケティングが合わせていく」のが良いのではないかと考えています。あえてコツみたいなのがあればそこかなぁと。

 事業をおこなっている限り目標数値というものは必ずあるのですが、その目標を達成するためのルートはひとつではありません。マーケティングに対して人が合わせるという考え方はひとつだけのルートですが、人に対してマーケティングが合わせるとなるとルートの選択肢は無限大です。そして、ほとんどの場合、マーケティングに人が合わせる状態よりも、人にマーケティングを合わせる状態の方が、事業の成長確率が高いのではないかと思います。

 人を理解し、人に合ったマーケティングを作り出す。自分に合っているのだから、実践しやすい、検証しやすい。だからこそ「人財育成」になる。ひとつのポイントかもしれません。

 おわり。