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「人は変わる」・・そんな言葉はすごく自分勝手【no.0969】

 人は変わる、というか短い時間ではその人の本質はきっと見えていない。そんなことを最近感じました。

 5年ぶりの友人と再会しました。たまたま東京に来られた機会があったということで、久々に食事でもどうですか?という連絡をもらいました。最後に会うまでは頻繁に会っていたので嬉しいお誘いでもありました。私自身も声をかける機会を失っていましたから。

 友人は自分で会社をやっています。WEBサイトの制作会社です。5年前に創業をしました。実は創業には私自身も絡んでいました。ちょっとした認識のズレがあって、途中で接触をしなくなり、それから5年が経っていたのでした。いま思えば本当にちょっとしたことです。5年も会わないほどのことではありません。

 友人のWEBサイトの制作会社は何の変哲もない会社です。何の変哲もないといっては失礼なのですが、業界にキラリと光るような特長もないように思えました。少なくとも私には。創業当時、友人は私に制作会社としての「違い」を何度か説明してくれましたが、あまりピンときませんでした。「看板(名前)を変えただけで、他の会社と内容は変わらない」そんな会社に思えたのです。

 5年ぶりに友人と話しました。何となく風の噂で聞いていましたが、会社のスタッフの人数も30名まで達したということでした。まだまだ人数が足りなく採用を加速させているところだ、と友人は言いました。

 風の噂・・があったので驚きはしませんでしたが、心の中で過去の自分を恥じました。自分のひとりよがりの価値観で「きっとこの会社は続かないだろう」と思っていたことに。まだまだこれからどうなるかわかりません。業界の再編もあるでしょう。ただ、現実には6年会社を続け、30名規模まで成長しているのです。

 「人は変わる」という言葉がありますが、本当に「人は変わる」のでしょうか。

 今回のように「きっと彼の考え方では会社は続かないと思っていた」しかし「彼は6年間会社を続け、30名規模に成長させた」というようなことがあると、「彼は変わった!」というのかもしれません。「人は変わる」という言葉が使われる典型的なパターンではないでしょうか。

 ただ「人は変わる」というのは、とても自分勝手な言葉のように感じられます。そもそもあなたは彼のことをどこまで知っていたのか?そんな話です。もちろん今回の話だと、この言葉は私自身に問いかけられることになります。「彼が変わったわけじゃない。お前が勝手に彼を解釈していただけだろう」と。「人は変わる」は、利己的な考え方なのかもしれません。

 私たちは人のことを良く知りもせずに、人に対して判断をしてしまっていることがあります。いや、ここは自分への反省です。自分が理解できなかったことを、人のせいにしてしまうこともあります。相手の言っていることがよくわからない、もしくは「わざわざ何でそんなことを?」ということを言っているとき、特に。

 話がわからなかったり、理由が理解できなかったりしたとき、自分に疑問を持つことが大切なのかもしれません。相手に疑問を持つのではなく。少なくとも自分の中で早合点して、相手の評価を決めつけてしまわないことです。いや、ここも自分への反省です。

 友人とは5年ぶりながら、やはり以前はよく遊んでいた仲。17時に待ち合わせてから5時間ほど飲んでしまいました。連絡を取らなくなっていたこの5年間が、本当に意味のない時間だったことを感じました。

 ひとりよがりの価値観を持たない人間にならなきゃ。これも自戒です。

 おわり。

 

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