サイトアイコン ECMJ

インターネットを活用して、既存事業の成果を上げよう。後編【no.0934】

 後編です。前回はこちらです。

 インターネットを活用して、既存事業の成長をサポートする。中編では、WEBサイトのアクセスやページビューの情報を既存事業に共有する考え方、WEBサイトの検索キーワードの情報を既存事業に共有する考え方を紹介しました。

 後編なので、もう一歩進んだマーケティングについて考えていきたいと思います。

 インターネットを介させることで発生するデータと、既存事業の進捗を管理しているデータ(基幹システムやCRMシステムに蓄積されるデータ)をひと繋ぎにする、という考え方です。この情報をインターネットのマーケティング部門(もしくはデジタルマーケティング部門)が提供できるようになれば、既存事業の成長により大きく寄与できることになります。

 このデータの一元化を実現することでより大きなメリットがあるのは、ソリューション企業・製造メーカー・卸などのBtoB事業、もしくは実店舗、つまり「リアルを介して商品・サービスの利用・購入を決定する」事業です。ネットショップの場合、商品・サービスの認知から購入まで一貫したWEB上の流れで完了しますから、データの一元化は元から実現している状態になります。

 データの一元化を実現するためにまず必要なのが、「市場の動き」「リアルの動き(既存事業の動き)」「ネットの動き」「リアルの成果数字」「ネットの成果数字」、この5つ項目を一貫して確認することができる仕組みをつくることです。

 たとえば、既存事業の営業活動の一環としてダイレクトメール(DM)を送付した場合、その成果の数字が現れるのは「お客様の電話問い合わせ」だけではありません。DMを受け取ったお客様は、その時点でサービスの導入を検討するわけではありません。サービスのWEBサイトを閲覧して比較検討に入ります。(もちろんDMを受け取った瞬間に破り捨てる、もあります)

 「リアルの動き」は「リアルの成果数字」に影響をおよぼすだけではなく、「ネットの成果数字」にも影響をおよぼすわけですね。

 逆に、たとえばサービスの情報発信の一環としてSNSを活用していたとします。何かのきっかけでSNSに発信した情報が拡散された場合、この「ネットの動き」が影響をおよぼすのは「ネットの成果数字」だけではありません。「リアルの成果数字」にも影響が出てくるはずです。この「リアルとネット」の原因と結果の交通整理をしていきたいわけです。

 リアルの動きをする中で、「お客様がインターネットでどんな情報を探していたのか」がわかれば、WEBサイトにどんな情報を追加すれば受注に近づくのかがわかります。逆にリアルの動きの中で、受注に結び付かなかったパターンがわかれば、サービスを改善すればいいのか、WEBでの情報提供がイマイチだったのか、がわかります。もちろん、「自社のお客様ではなかった」というパターンもありえます。

 ネットの動きを展開していく中で、「WEBサイトのアクセスは多かったが、問い合わせが少なかったコンテンツ」「WEBサイトのアクセスは少なかったが、問い合わせが多かったコンテンツ」を探します。さらにリアルのデータと繋ぐことで「問い合わせは多かったが、受注に繋がらなかったもの」「問い合わせは少なかったが、受注に繋がったもの」を整理できれば、「WEBサイト→受注」の関係性が見えてきます。

 「リアルとネットを繋いだ」データを既存事業に提供できれば、より成長に寄与することができます。インターネット部門に対する信頼も強くになるはずです。「まずは既存事業をサポートするところから」インターネットを活用するのは様々な意味で安パイです。

 おわり。

 

モバイルバージョンを終了