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仕事の成果なんてものは、そのほとんどが「たまたま」です。【no.0915】

 以前のおこなったセミナーで、こんな質問をいただきました。

*ラッキーパンチではなくて、もっと狙った事例はないんですか。

 その時はたしか、狙った事例というよりも「こうやって狙う」というような回答をさせてもらったと思います。その回のセミナーは質問が非常に多く、質問を読んで、思いついたことをすぐに話す形式でおこなっていたので気づきませんでしたが、これって少しイジワルな質問ですよね。後から気づきました。

 おそらく、セミナー内で話した「福岡のお土産さん」の事例や、「吉祥寺の家具屋さん」の事例が、その方にとっては「ラッキーパンチで売上が上がった」ように感じられたのでしょう。「お客様がこういう問い合わせをしてきて、そこからニーズがあることに気づいた」というような紹介をしたので、「お客様が問い合わせをしてきた」ということがラッキーパンチに当たるのかもしれません。

*ラッキーパンチが普通で、論理的な成果の方が稀

 ただ、言えることは、仕事の成果なんてものは、そのほとんどがラッキーパンチだということです。なので、ラッキーパンチであることが普通で、むしろ論理的に組み立てられた成果の方が稀だと思います。

 市場にこういうはっきりとしたニーズがあるから、こういう商品を開発して、こういう商品ページをつくって、こういう広告をかけて、1万個くらい売れると試算できたので1万個在庫を抱えて、結果、すべての在庫を予想通りに売り切りました。そんなことができたら良いのですが、「狙って当てる」はやはり難しく、だからこそ「データを取って、毎日カイゼン」が必要になります。

 野村克也元監督は「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と言っています。これと同じです。

*大切なのはラッキーパンチの確率を高めていけるか

 結果が出なかった理由ははっきりしていても、結果が出た理由というのは基本的に「たまたま」です。世の中ではたくさんの成功者が「こう思ったから、こうやって、そしたら成功したんですよ」ということを本に書いたり、講演で話したりしていますが、あくまで結果論であって、成功する前は不安でいっぱいだったはずです。自分に自信はあるけど、本当に大丈夫か?と。

 仕事の成果なんてものは所詮ラッキーパンチ。ただ、大切なのはラッキーパンチが出せる確率を1%ずつ高めていけるか、ではないでしょうか。そのために、結果の因果関係を日々探していくのです。「なんでこうなったのか?これは再現性があることなのか?」というように。

*「それはラッキーパンチでしょ」と思ったら、思考停止

 「データを取って、毎日カイゼン」をしていても、「結果」に対するすべての「原因」が探し当てられるわけではありません。99%わからないことがほとんどです。ECMJが推奨している「実行数値管理表」を毎日きちんとつけていたとしても、すべての因果関係を追っていけるわけではありません。しかし、「実行数値管理表」をつけていることで、1日にたったひとつでも「原因」を探し当てることができれば、それは市場や他社にとって、「勝てる理由」を掴めたことになります。

 仕事をする。成果を検証する。検証した中から「原因」のヒントを探す。そこから次の仮説を立て、仕事から「原因」のさらなる検証をおこなう。これを繰り返しおこなうことで、1%1%ずつ成果への可能性が高くなっていくのです。着実な積み重ねは複利的に可能性を高めていきます。時間を追うごとに他社との差は大きく開いていきます。圧倒的に。

 仕事の成果なんてものは、ラッキーパンチです。たまたまです。人の話を聞いて、「それはラッキーパンチでしょ」と思ったら、思考停止です。「ラッキーパンチのために、何を徹底して積み重ねてきたか」それに気づかなければいけないのです。「ラッキーパンチ」別の言い方をすれば、「神様は見ている」かもしれません。

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