ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
「ほとんどの商品がひとりのお客様にも見られていないなんて、そんなことあるんですか」
友花里さんは言いました。友花里さんは実店舗の「笹かまオニギリ」の店長を担当しています。「お客様の目に触れることのない」商品などないと思いました。
「ここが、実店舗とネットショップの大きな違いなんですよ」
麻間(あさま)さんは言いました。「商品がお客様の目に触れないこと」を知ることが、ネットショップを運営する上でのポイントだというのです。
「ネットショップの構造をおさらいしてみましょう。ネットショップの情報がまとめられているトップページがあります。商品を並べているカテゴリページがあります。そして、1つ1つの商品を紹介している商品ページがあります。トップページを頂点として、カテゴリページ、商品ページが紐づいている。一般的なネットショップの構造というとこうですね」
麻間さんはホワイトボードにネットショップの構造の図を書きながらいいました。
「商品ページはカテゴリページだけに紐づいているわけではありません。トップページから直接商品ページにリンクが飛んでいる場合もあります。また、全ページ共通のサイドナビやフッターなどで、商品ページを紹介している場合もあります。カテゴリページは、必ずしも商品を並べているページというわけではなく、ネットショップのコンセプトを伝えたり、会社情報を伝えたりしているページもあります」
麻間さんはネットショップの構造の図にさらに線を書き入れ、トップページから商品ページに伸びる線を複数書きました。
「これがネットショップでいう『導線』というものです。実店舗だと、『導線』という言葉は主に店舗のレイアウトに合わせて『お客様の通る道』という意味で使われることがほとんどです。ネットショップの場合は、トップページ・カテゴリページ・商品ページを繋いでいる1本1本の『リンク』を『導線』といいます。『導線=リンク』のことなんですね」
そういうと、トップページから商品ページに伸びる線、カテゴリページから商品ページに伸びる線に「リンク」という言葉を書き入れました。
「では、たとえばです。このトップページとカテゴリページに紐づいている商品ページAの導線、つまりリンクを各々から切ったとしたら、果たしてどうなるでしょうか?」
「お客様が商品ページにたどりつくことはないですよね。その商品ページのアクセスはゼロになります」
麻間さんの質問に、友花里さんがこたえました。
「そう。お客様がこの商品ページAにたどりつくことはなくなります。ただ、厳密に言えば、この商品ページのアクセス数は必ずしもゼロになるわけではありません。なぜかというと、お客様が検索エンジンで何らかのキーワードを打ち込んで、直接この商品ページにきてしまう可能性があるからですね。実店舗で商品をバックヤードに入れているのとは、ちょっと状況が違うわけです」
「あ、そっか。そのパターンもあるんですね」。友花里さんがいいました。
「では逆に、ありとあらゆるページから、商品ページBにリンクが張られていたら、どんな状況になるでしょうか?七海さん、どうですか?」
てっきり麻間さんと友花里さんのやり取りの場面かと思っていた七海さんは完全に油断していました。「あ、そうですねぇ。すいません。もう一回、質問いっすか」と麻間さんにお願いをしました。麻間さんは仕方なく、もう一度質問を投げかけます。
「ありとあらゆるページから、商品ページBにリンクが張られていたら、商品ページBのアクセス数はすごく多くなるんじゃないですかね。間違いなく」
「それが、そうとも言えないんですよ・・」
つづきはこちら。