ネットショップのマーケティング、インターネットのマーケティング、さらにはデジタルのマーケティング。これからのマーケティングを展開していくための重要な要素は「データ」です。
これまでリアルの世界ではデータを取得するのは容易ではありませんでした。大規模なITシステムを導入して、それでも月1回に決められた数字が確認できる程度。しかし、デジタル化が進んでいる現在は違います。大企業だけではなく、中小企業、さらには個人に至るまで、データを取得することが容易になりました。
ネットショップ、インターネット、デジタルのシステムでは、サービスを提供するだけではなく、データを分析する機能が付いているのが普通です。また、月1回の集計データではなく、毎日、デイリーでデータの変化を読んでいくことができます。本当の意味で、「データ活用」ができる環境が整ったのです。
システムは変化をしています。進化し、標準化が進んでいます。そこに追いついていないのは、実は、そのシステムを活用する「人間」の方です。
「データを活用する」環境はこれまでになかった概念です。ですから、自ら「どうやってデータを活用するか」を学ばなくてはいけません。小学校や中学校など、学生時代にも「データを活用する」という授業はありませんでした。「データ活用」の概念がないまま、ビジネスマンとしてデータを活用しなければいけない立場に立っているのが現実です。
では、どうやって「データ」に慣れていけばいいのか。これが重要な論点だと思います。
データ活用の「基本のキ」として大切なのは、「毎日データを見るクセ」をつけることです。いきなりたくさんのデータを見たり、たくさんの分析エクセルを作成するのではなく、1つのデータ項目(たとえば、「売上」)で良いので、習慣的におこなうことで「毎日データを見るクセ」をつけていきましょう。
データ活用の第一歩、「昨日の売上がいくらだったかを知っている」こと。まずはここからです。
経営者のみなさんに質問です。自社のスタッフの皆さんに、「昨日のネットショップの売上はいくらでしたか?」と質問すると、すんなりと答えが返ってくるでしょうか。「昨日のネットショップの売上を確認すること」を社内の習慣にできているでしょうか。
ネットショップのスタッフのみなさんに質問です。昨日のネットショップの売上はいくらだったかを知っていますか。あなただけではなく、ネットショップの運営に関わる全てのスタッフのみなさんが、ネットショップの売上を答えることができますか。経営者や部長さんから、「昨日の数字を毎日確認しておくように」という指示は受けているでしょうか。
ネットショップのマーケティングも、インターネットのマーケティングも、デジタルのマーケティングも、その概念はすべて一緒です。「データをとって、毎日カイゼン」。この繰り返しに他なりません。
ネットショップを運営している。ホームページを運用している。WEBサービスを展開している。デジタルを活用しているならば、「データと改善」は必ずセットです。「データ」を確認せず、「改善」ばかりをおこなっているのは非常にもったいないことです。「データ」は「改善」の成果を示してくれるコンパスなのですから。
まずはスタッフ全員が「昨日のネットショップの売上」を知っている状態になること。たった1つのデータ項目でも、全員漏れなく認識するのは簡単ではありません。しかし、それが実現できれば「デジタル時代」の企業に向けて、大きな一歩を踏み出せるはずです。
おわり。