著者:石田 麻琴

お客様は「自分のタイミング」で商品を探し、購入を決定している【no.0891】

 お客様の「モノの探し方」について考えてみたいと思います。

 Googleなど検索エンジンを使ってモノを探すにしても、Amazonや楽天市場などショッピングモールを使ってモノを探すにしても、そこには「モノを探す」に至った何かしらの「きっかけ」があります。

 テレビで紹介されていたのかもしれませんし、雑誌で紹介されていたのかもしれません。部屋の片づけをしている最中に「画鋲が欲しいなぁ」と思ったのかもしれませんし、ドライバーなどの工具が一本足りないことに気づいたのかもしれません。

 ここで、明確に「ドライバーが欲しい」と思っている場合もあれば、「壁にポスターを貼ることができる何かが欲しい」というように明確にモノが決まっていない場合もあります。

 前者の場合は、ショッピングモールや自社サイトにいきなり飛び込んで商品を探していく可能性が高いでしょう。後者の場合は、検索エンジンで「ポスターを貼ることができる道具としてどんなものがあるのか?」から探していく可能性があります。

 明確にモノが決まっていれば、そこで勝負できるのがネットショップ。ただ、お客様の要求は基本的に曖昧なものですから、そこに対して、情報提供をすることでお客様に商品を選ぶときの基準を提示するのがメディアの役割ということになります。オウンドメディアやコンテンツマーケティングという言葉の指すところです。

 ショッピングモールや自社サイトなどのネットショップで商品を探す。検索エンジンから情報を得て、目的に対しての選択肢を知る。いずれにせよ、最終的な到達点は「壁にポスターを貼る」ということであり、そのために「貼るための商品を買う」というのが通過点になります。

 お客様にとって、「貼るための商品を買う」のはネットショップでもいいですし、実店舗でもいいわけです。はたまた、実家に連絡したり、友達に連絡したりして「貼るために使うモノ」を貸してもらえないかを問い合わせるという方法もあります。

 なので、もし仮に「壁にポスターを貼る」という目的に至る過程の中で、お客様があなたのネットショップなり情報メディアサイトなりを踏んでいたとしても、最終的に「貼るための商品を買う」というところであなたのネットショップを選択するかどうかというのは、まったく別の問題なんですね。

 上記に書いたとおり「貼るために使うモノ」を手に入れるということでも、ネットショップで買う、実店舗で買う、実家や友達に借りる、代替品を探す、面倒なのでやめる、など様々な選択肢があります。ネットショップをやっていると「なんでお客様は買ってくれなかったんだろう・・」と思いがちですが、ほとんどの場合、ネットショップにももちろんお客様の側にも責任なんぞはありません。

 これは自分自身に当てはめてみればわかりやすいかと思います。モノを探すのも、モノを購入するのも基本的には「自分のタイミング」であって、そこに対してネットショップ側が要因として介在する部分ってごくごくわずかですよね。あくまで自分のタイミングで意思決定をして、あくまで自分の感覚でモノゴトを判断している。これが普通かと思います。

 そして、問題なのは「お客様のタイミングは、わからない」ということです。いつ商品を買うと判断するタイミングなのか、さっぱりわかりません。ただ、それぞれのお客様のどこかに商品を探し、買ってくれるタイミングがあります。そう考えると本質的には、お客様の母数を増やして、よりタイミングに当たりやすくするしかないのかもしれません。

 おわり。

 

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