2016年は本格的に勝ち組と負け組が分かれる年になるのではないか、年明けからそんな雰囲気が漂っています。
弊社ECMJが主催となり、「岩佐豊の長時間セミナー」なるものを毎年開催しています。ECMJの取締役で元ダイヤモンド社社長の岩佐さんが、頭の中にあることをすべて吐き出すセミナーです。今年で4回目の開催でしたが、毎年1時間1時間と開催時間が延長し、ついに長時間セミナー2016は5時間ぶっ続けという前代未聞のマラソンセミナーになってしまいました。
岩佐さんの話は毎年同じテーマです。「これからの10年勝ち残る企業の条件」。岩佐さんは、このテーマでの講演をすでに10年以上おこなっています。つまり、毎年内容を少しずつアップデートしながら、市場環境の変化とそこに対する「勝ち残る企業の条件」を話しているのです。
「これからの10年勝ち残る企業の条件」は、ひとつの波のような「曲線」の図からスタートします。日本の経済の景気の状態を表した曲線です。この曲線によると、日本の好景気は2015年の末を持って終わっていることになります。そう、ちょうど2ヶ月前の2015年12月31日を持って、景気の波はマイナスに向かっているというのです。
4年前、3年前、昨年と、いままでの長時間セミナーでも、この曲線の解説を聞いてきました。そのときには「おそらく2015年の末をもって、日本の株価はマイナスへと向かうだろう」という話を聞いても、あと3年先か、あと2年先か、いよいよ今年の末か、という感じでしたが、いざ2015年末というラインを過ぎてしまうと、はたしてどうなるのだろう、という不安がわいてきます。
2016年に入ってからの日本の株価の動きは、みなさんもご存じのとおりです。2015年12月にギリギリ20,000円。年始は19,000円からスタートしましたが、いきなり500円以上のマイナス。そこから2週間あまりで16,000円台まで急降下し、一時的に18,000円近くまで持ち直したものの、また急降下をして2月の中旬には15,000円を割りかねないところまで下落・・。
岩佐さんがお話してきたとおりの2016年がいよいよ始まりました。外国の投資家たちは、この経済状況を事前に予測して、2015年の年末に株をすべて売り払ったという噂もあります。とんでもない株価の予測システムを持つ投資家のことですから、おそらく本当に日本株を売り抜いていることでしょう。だとすると、日経平均株価はさらに下落していくということになります。
2016年は勝ち組と負け組が分かれる年になるかもしれません。勝ち組、負け組という表現は好きではありませんが、経済の状況が悪くなると「みんな一緒に幸せになりましょう!」ということはできなくなります。どうしても勝ち組、負け組が出てくることになります。
ただミクロな視点で考えれば、市場規模が少しシュリンクしたとしても多くの中小企業には何の影響も及ぼしません。トヨタやソフトバンクのような超大手企業にとっては市場の悪化は重大な問題ですが、中小企業にとっては無限のマーケットのみえない部分だけ抜け落ちたくらいのものです。依然として、中小企業の前には無限のマーケットが待っています。経済悪化は何の理由にもなりません。
1月2月と消費はおそらく緩やかに落ちています。その中でもまずはきっちり前年同月をオーバーすること。2016年の3月は2015年の3月をしっかりクリアするための施策を打っていきましょう。前年同月をクリアし続ければ、いつの間にか勝ち組の仲間入りをしているはずです。不況は関係ありません。
おわり。