とにかく考えてみる、とにかくやってみる。そこから次の仮説を探していく。
ネットショップ運営のアドバイスをすると、「それはやりたくありません」とか「それは売上が上がる気がしませんね」という答えが返ってくることがあります。こちらとしては、「う~ん」と唸ってしまうような返答です。なぜなら、このような答えをする方は「仕事から逃げて」しまっているわけですから、そこからの手の施しようがありません。
「それはやりたくありません」「それは売上が上がる気がしません」。これらの答えは、本当に「実践をやりたくない」わけでもないですし、本当に「売上が上がる気がしない」と思っているわけでもありません。そこにあるのは「結果を出すための努力が怖い」ということの1点です。その「結果に対する不安」から、「それはやりたくありません」「それは売上が上がる気がしません」と「もっともらしい理由」をつけて逃げているだけなのです。
このような発言をする方の施策は、「頭を使わず、かつ汗水も流さない」ものになります。はっきり言うと、「お金をかけて売上をつくる」ような方法、つまり「広告」によって結果を出そうとします。直接的な、誰でもできる、ただ一見すると成果がすぐ出そうな、そんな具体施策に目がくらんでしまうのがオチです。いままでご相談を受けた会社さん、「結局、広告だけに頼ってしまった」会社さんを何社も見てきました。もったいないことです。
しかし、当然ながら、ビジネスは広告で勝てるものではありません。広告でブランド力がつくものでもないですし、広告で口コミ力が発生するものでもありません。あくまで「頭を使い、汗水を流す」ことが大前提。「頭を使い、汗水を流した」結果がサービスの差別化となり、その差別性にレバレッジをかけるのが広告であるべきです。ですから、広告をかける前に、実はサービスとして「すでに勝っている」状態を作らなければいけないということなんですね。
ネットショップで販売する商品をつくる、もしくは仕入れる。ネットショップに商品を紹介するページをつくる。プレスリリースをかける。一見すると、そこまでやった時点で商品の販売のサイクルは終了と思えるかもしれません。もしかしたら、後の手段はインターネット広告のみと考えるかもしれません。でも、ここでマーケティングは終わりではないです。この販売のサイクルをブラッシュアップして、2回転目・3回転目に入っていかなければいけません。
とにかく考えてみる。時間があるとき、余裕があるとき、思いついたときではなく、定期的に時間を取って「この商品をさらに売るにはどうすればいいか」を考える。「さらに売るにはどうすればいいか」という課題は、「さらに興味をもってもらうにはどうすればいいか」「さらに知ってもらうにはどうすればいいか」と同義です。特にネットショップの場合は、「さらに知ってもらうにはどうすればいいか」にいかに踏み込んでいけるかが勝負を分けます。
とにかく考えてみる、だけではなく、とにかくやること。「これは結果が出なさそうだ」と自己完結するのではなく、とにかく市場にアイデアを降らせてみること。もしかしたら効果があるかもしれないし、効果がなかったとしてもお客様の声や反応から、次の改善アイデアが浮かんでくることも多いにありえます。動いているとチャンスは見えてくるものです。
立ち止まっていると「もうこれ以上やることはない」と思ってしまいますが、日々「データをとって、毎日カイゼン」をし、1歩1歩前進をしていくと、「まだまだこういうことできるジャン!」ということが見つかっていきます。できれば毎日、少なくとも週1回は考える時間をつくっていってください。
おわり。