ECMJのコンサルティングでは、「広告を使ってください!」とはこちらから言いません。まずは広告を使わずに「ネットショップの売上を上げるにはどうしたらいいか?」を考え、実践するところからスタートしていきましょう、とお話をしています。
もちろん、会社におけるネットショップの成長の必要性や予算計画、競合との商品のバッティングによる導線の取り合いなどで、広告を活用されていることはありますが、そこはクライアントさんにお任せをしています。
これはECMJセミナーでも毎回お話していることです。
インターネットで新規顧客を集めるのは最も難しい仕事です。インターネット、ネットショップに限らず、ビジネスで一番難しい仕事は新しいお客様に認知してもらうことだと思います。どうしても広告を活用したくなるのですが、そこをグッとこらえて「頭を使う、汗水を流す」という方向に考え方をシフトしていくと、非常に強いネットショップのスタッフが育ちます。
「人はお金を使うと、頭を使わなくなる。汗水を流さなくなる」ということだと思います。
・・といつもお話をしているのですが、お金を使ってお客様を集めるという選択肢をあえて削ることで「頭を使う」以外にも、もうひとつ仕事をしていく上で大切な力が養われるのではないかと考えました。それは「人間力」です。(すっごいきれいごと感がありますが・・)
お金を使ってお客様を集めるという選択肢を削ると、仕事が丁寧になります。
売上が上がるパターンというのは2つしかありません。新しいお客様が増えて、商品がよりたくさん売れるようになった。いまのお客様がもっと買ってくれるようになって、商品がよりたくさん売れるようになった。この2つのパターンです。
広告を使わないという選択をしたとき、まず考えることは後者だと思います。「新しいお客様を集めるために広告は使えない。そうしたら今のお客様にもっとご利用いただいて売上を上げていこう!」という思考性になるのは、ごくごく当然の流れです。
じゃあ、いまのお客様にもっと利用してもらうためにはどうすればいいか。どうすれば商品の魅力がよりお客様に伝わるか。お客様にどう接すればまた利用したいと思ってもらえるか。どこに絞ればオンリーワンのネットショップになることができるか。
お金を使っていたときはおおざっぱになっていた仕事が、1つ1つ細部まで見直されるきっかけになります。
またもうひとつの動き、「新しいお客様を増やす」ということについても広告を使わない中で実現をしていなかなければいけません。
インバウンドの流入を増やすためにコンテンツを定期的に更新していく。SNSでシェアされる画像・テキストを研究する。口コミ、紹介をいただくためにお客様にアンケートをおこなう。「新しいお客様を増やす」という仕事は正に「人を動かす」仕事ですから、自然と顧客本位に行動が流れていきます。
そのためにはお客様に対して素直で正直で誠実でなければいけません。そうしないと人は動いてくれません。お客様がどうしたら動いてくれるかを真摯に考えることで、「人間力」も培うことができるのではないでしょうか。
お金をかけることによる成果は自分の本当の実力をまやかします。アクセス人数と売上が増えると、商品力がまやかされます。提案力がまやかされます。「頭を使う」「人間力を高める」そして結果として、「人を動かす」これが仕事の真理ではないでしょうか。
人とは、同僚・お客様・取引先・株主・家族、そのすべてです。
おわり。