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売上を因数分解する。アクセス人数をさらに因数分解して活用する【no.0879】

 Eコマースの勝ち負けを決めるポイントはデータの活用にあります。大手企業だけではなく中小企業でもはたまた個人でさえ、デイリー(もちろんリアルタイム)のデータでお客様の反応を確認することができます。

*成果数値を因数分解しその要因を探ること

 データ分析とは、「売上」という最終的な成果数値を因数分解し、どのデータを動かすことができそうか、施策の実践によりどのデータが動いたかを確認していくことです。

 ネットショップの売上の最も有名な公式、「売上=アクセス人数×転換率×客単価」を考えていきましょう。

 売上は「アクセス人数」「転換率」「客単価」の3つの項目に因数分解することができます。仮に、アクセス人数=1万人、転換率=5%、客単価=5,000円だとすると、このネットショップの売上は250万円ということになります。これが何らかの施策を実践した成果の数字です。

 この「アクセス人数」をもう一歩分解してみます。「アクセス人数」は初めてネットショップに来店した「新規顧客」と、複数回ネットショップに来店している「既存顧客」に分けることができます。ということは、ネットショップの売上の公式はこのように変化させられるはずです。

 「売上=(新規顧客+既存顧客)×転換率×客単価」。一歩踏み込んでデータ分析の深掘りをすることができました。

*「新規顧客」「既存顧客」以外のアクセスの切り口

 ただ、初めてネットショップに来店した「新規顧客」と複数回ネットショップに来店している「既存顧客」がともに同じ「転換率」であることはないはずです。経験上、「新規顧客」は転換率が低くなりやすく、「既存顧客」は転換率が高くなります。そう考えると、売上の公式をこう変化させた方がいいかもしれません。

 「売上=(新規顧客×転換率×客単価)+(既存顧客×転換率×客単価)」。「新規顧客」と「既存顧客」のデータを別々にした考えるわけです。こちらの方が的確な気がしますよね。

 「アクセス人数」を考えるときは、「新規顧客」「既存顧客」以外にも切り口があります。代表的なのが「参照元」です。お客様がどのWEBサイトを経由してネットショップに訪れたのか(もしくは直接ネットショップに訪れたのか)というデータです。

 「参照元」の大きく分けると、「直接参照」「検索流入」「WEBサイト経由の参照」の3つがあります。「アクセス人数」は「直接参照+検索流入+WEBサイト経由」であると表現することができるわけです。また、「新規顧客」と「既存顧客」の関係と同じように、各々の「参照元」からの「転換率」「客単価」の数字は異なります。

 実店舗のマーケティングではこうはいきません。実店舗に来店されたお客様は一緒くたに「実店舗に来店されたお客様」です。お客様がたまたま店の前を通りかかって来店したのか、折り込みチラシを見て来店したのか、2回目の来店のお客様なのかはわかりません。これがネットショップではわかる、ということです。

*大切なのはお客様に向かって施策を投げてみること

 そして大切なのはデータを因数分解することだけではなく、お客様に向かって施策を投げてみることです。これによって因数分解したデータが動いているかを確認し、自社のネットショップで「お客様からの反応が返ってくるポイント」を探していきます。

 例えば前述した「参照元」のデータ。「検索」からネットショップにアクセスしたお客様の「転換率」が高ければ、さらに「検索流入」を強化していこうという話になります。「検索流入」が多いページを強化して「転換率」が改善したとしたら、「検索流入」が多いページを優先して改善したらどうか。そんな仮説を立てることができます。

 自分たちが日々おこなっている運営業務がどの数字に関わっているか。また、因数分解をしたどの項目に当たるかを考え、成果指標として数字を確認しながらPDCAサイクルを回していってください。

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