(こちらは前回のブログの続きです。こちらを読んでからお読みください)
前回は、弊社のコンサルティングは「コーチング的」な役割を果たす「キャッチャー」であること。数字という結果だけではなく、「なぜ目標が達成されたか。さらに上を目指すにはどうすればいいか」がわかる人材を育てるため、プレーヤーである現場のスタッフに自ら考え、実践し、検証してもらうことが重要だと書きました。実践アイデアを考えること、実践結果を検証することは、コンサルタントがお手伝いできますが、実践は自分で行うしかありません。実力をつけるためには自分で行わなくてはいけません。「ピッチャー」がボールを投げるために、「キャッチャー」は存在します。
さて、では、どうやって「ピッチャー」にボールを投げてもらうかです。弊社のようなコンサルティングを行っている企業だけではなく、現場のスタッフを動かす経営層・マネジメント層にとっても、頭の痛い問題なのではないでしょうか。ミーティングをして、様々な実践アイデアが出た。じゃあ、誰がいつまでにどれを実践するか。それを切り出すと、今までアイデアに沸いていたスタッフが一斉に下を向く。よくある風景だと思います。考える、実践する、検証する、の3つのうち、「実践する」が最もハードルが高いのです。アイデアを出したり、数字を見てウンウン唸ったりする何倍も、「実践」はイヤなものなんですよね。
そこで、投げてもらうための基本的な概念です。弊社が「できる限り実践してもらう」ために、重要と思っていることをいくつかご紹介します。
ひとつ目は、「自分達で決めてもらう」ということです。自分達でアイデアを出し、その中の出したアイデアから自分達が実践することを、自分達に決めてもらいます。もちろん、コンサルタントはアイデアを出すための触媒の役割を果たすのですが、コンサルタントの頭の中にある「本当に必要と思われること」があったとしても、コンサルタントは意見を言いません。意見を言ったら、自然にそれが場の中の優先事項になってしまうからです。これは、経営者やマネージャーを交えたミーティングでも同じです。上司が出したアイデアは、優先事項になります。そのアイデアに対しての問いや批判が入ることもあまりないでしょう。しかし、経営者・マネージャーが出したアイデアが、そのまま実行策として決まったとしても、それは納得のない「やらされ感」のある仕事になってしまうわけです。「やらされ感」がある仕事は、「実践してもらう」可能性が低い仕事です。たとえ実行されたとしても「本気感」が少ない仕事になってしまいます。
「本気感」が少ない仕事の問題点は何か。正しい検証ができないんです。仕事の実践に対する結果として、測ることができないんです。本気度100%のメールマガジンを書くのと、本気度30%のメールマガジンを書くので成果としての数字は異なります。でも、メールマガジンを書いたという点では同じです。メールマガジンにどんなネタを書いたのか、どんな商品を紹介したのかもデータとして残ります。でも、本気度は成果を検証するためのデータとして残りません。本気度100%とは言いませんが、せめて本気度70%・・。とはいえ、本気度なんて「定量化」できるものではないので、ある一定の本気度の元、成果の検証をしていかなければいけません。そのためにも、「自分達で決めてもらう」ことが重要なのです。「自分達で決めてもらう」ことで、具現化される可能性が高まるだけでなく、一定以上のクオリティで実践される可能性が高くなるので、成果の検証がより正確になっていくわけです。
次は、「自分達で気づく」ですね。
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