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「現実」を受け入れるため、「環境」をポジティブにする。 【no.0104】

 「夢をかなえるゾウ」「人生はワンチャンス!」「人生はニャンとかなる!」で有名な水野敬也さん。非常に本質的な内容をユーモラスに伝えていて、いつもすごいなぁと思っているのですが、You Tubeを見ていたら、水野さんが映画のビジネススクールで講演している動画をたまたま発見しました。その中で、水野さんが「売れる本をつくる」ために、どんなことをしているかを話していました。

 水野さんが「売れる本をつくる」ためにしていることはたったひとつで、それは「チューニング」であると。本を出す前に、いろんな人に原稿を読んでもらい、意見を聞いて、推敲を繰り返していく。200万部の大ヒットになった「夢をかなえるゾウ」も、ただ単に「チューニング」をひたすら繰り返した結果としてできあがった本で、これこそが「これだけやれば絶対に売れる」条件なんじゃないの、という話。

 この動画を見て、「うわ~、すごく本質的なこと言ってるなぁ!」と少し感動してしまったのですが、数日前からこのブログで書いているマイケル・ポーターの「戦略とは」の話とも非常に通じるものがあると思います。私がキーワードとしてあげているのは「続ける」なのですが、マイケル・ポーターの言う「徹底する」もそうですし、水野さんの言う「チューニング」もそうですし、「面を広げる」ではなく「掘り下げる」も、弊社のホームページ内の会社概要に書いている「やりきる」「やりぬく」も、全て同じ意味かと思います。

 水野さんが言っていることはすごくシンプルで、単純に「改善」ってことだと思うんですが、これがやっぱりなかなかできない。水野さんはこの「チューニング」をやりきっているわけですが、人に原稿を読んでもらって意見を聞くってのはやっぱり怖い。怖いからほとんどの人ができないし、やらない。ネットショップであれば、この原稿をショップサイトとか商品ページとか、メールマガジンに置き換えてみても、全く同じことかと思います。

 やっぱり人は現実を見るのが怖くて、主観的に自分がやりたいことだけをやって成功できるならばそれに越したことはないのですが、それだけで成功するということは相当な運とタイミングが合わない限りありえない。ソフトバンクの孫さんは、ずーっと昔から毎日決算ができる仕組みを整えていて、1年365日毎朝、数字をチェックしているといいます。つまり、これって、「毎日、現実と向き合う」ってことなんですよね。1週間に一度、数字を見るならば、年に約100回。月次決算であれば、年に12回。少なくとも、年に365回「現実と向き合っている」会社の方が、年に12回「現実と向き合っている」会社よりも強くなりそうなもんですよね。

 人って、やっぱり弱くて、自分の主観だけで動くと、どんどん楽な方に楽な方に動いていってしまうわけです。真山仁著「ハゲタカ」のモデルになった越純一郎さんの言葉を借りれば、「勝つこと」ではなく「できること」をしてしまうわけです。しかし当然、本来やらなければいけないことは「できること」ではなくて「勝つこと」なわけで、それをするためには、水野さんの場合であれば「人に見てもらう」ことであるし、孫さんの場合は「数字を毎日見る」ということであるわけです。

 「現実を見続ける」ってのは、自分にとってすごくタフなことですよね。必ずしもポジティブな現実ではないわけだし、むしろ「自らの理想や期待とのギャップ」というネガティブな現実を見続けなければいけないわけだから、すごく精神的にこたえます。この動画で水野さんは「その分、アウトプットを出すための環境を、思いつく限りポジティブにしている」というふうに言っていて、つまり「現実」というネガティブを受け入れるために「環境」をポジティブにして、両方のバランスを取れ!と。

ぜひ動画を見てみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=Y0cND12P2-w

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