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「属人的な業務」を無くすためにやりたいこと。前編【no.0743】

 「属人的な業務」を無くすためにやりたいこと。前編です。

 「うちの会社って属人的なんですよね」と、聞くことがあります。感覚的に、経営者ではなくスタッフの皆さんがいわれていることが多いように感じます。

 「属人的な組織をカイゼンするために」が今回のECMJコラムのテーマです。しかし、その前になぜ「属人的な組織」ができてしまうのかを考えてみます。

point1:経営者と現場の「属人的」の感覚が異なる

 経営者は「売上と利益」の最大化を優先度を高くして考えています。もちろん「属人的な組織をなくす」「仕組み化を進める」も重要なタスクです。しかし、「売上と利益」でも頭の中はいっぱいになります。極端な表現かもしれません。たとえ属人的だとしても、会社が回り「売上と利益」があれば良いとも言えます。経営者とスタッフの皆さんの「属人的」の感覚が異なるのです。これが「うちの会社って属人的なんですよね」に繋がることがあります。

Point2:現場のことをわかっていない可能性

 単純に、経営者があまり現場のことをわかっていない、という可能性もなくはありません。10人20人の組織であれば、経営者が全体を見回すことができます。しかし組織が大きくなると「属人化しているのか否か」を見極めるのは難しくなります。「属人化」を気にしているのは実際に業務を持っているスタッフの皆さん自身です。当たり前ですが上にいけばいくほど現場感はなくなっていきます。認識のズレが経営者とスタッフの皆さんの間に起こる可能性も低くはありません。

Point3:あえて業務を属人化させたままにしている

 意外に思われるかもしれません。「あえて業務を属人化させたままにしている」可能性もあります。「仕組み化」「マニュアル化」を進めると、データが外部に流出する可能性があります。また「誰でもできる」ように落とし込むと、サービスを広く提供できるようになります。その反面、業務に対する付加価値が薄くなります。スタッフの皆さんが「うちの会社は属人的」と感じているとしても、実はそれが会社の付加価値の可能性もあるのです。

現状のルーチンで回ってしまっていることが問題

 ―――とはいえ、業務が属人的になっている組織は困ります。特定の人間しかできない業務があると全体の流れが滞ります。また退職するという話になった場合の引き継ぎが大変です。属人的な業務は「経験とスキル」によって成り立っているケースがほとんどです。なので、簡単に引き継げるものでもありません。仮に新しい業務を任せるとしても、属人的な業務が手放せないため仕事が中途半端に手元に残ります。新しい業務のパフォーマンスが不十分になり共倒れになることもあります。

 経営者もスタッフの皆さんも「属人的な業務」に気づいていながら、なかなか改善には至らないものです。なぜなら「現状のルーチンで回ってしまっている」から。一時的に「属人的な業務」に困ったとしても、何とか乗り切ってしまうんですよね。その時は不便を感じたとしても、次の日からはまた普通のルーチンに戻ってしまいます。ルーチンの流れで仕事をやっていた方が、やっぱり気持ちがいいのです。

 さて、そんな中で「属人的な業務」をなくすための方法です。まずは「属人的な業務をなくすプロジェクトチーム」を結成しましょう。プロジェクトチームのコアメンバーは5~6人でお願いします。

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