日々、マーケティング活動をおこなうにあたって、「何かを実践する」ということは、「成果を検証する」ということなんですね。実践と検証は、必ず「セット」にならなくてはいけません。それがあって、はじめて「マーケティング」なんですね。
いま「きたれ女性と若者!競馬人気をまくり差せ!競艇場『売上アップ』マーケティング」という連載を書いています。その中で、競艇(ボートレース)のテレビCMの話を少しだけ書きました。
意識していないと右から左へ流れていってしまうものですが、競艇のテレビCMがいたるところで流れています。
いまの競艇のイメージキャラクターは、石田純一さんの娘としても有名な「すみれ」さんです。すみれさんが少々セクシーな服装で、青い衣装のサンバのダンサー(?)と勝負する、みたいなテレビCMを見たことがないでしょうか。競艇は、「白・黒・赤・青・黄・緑」の6色でおこなわれるので、それをイメージしたものなのですが、はっきり言ってわけわかんないですよね。テレビCMの最後に「ボートレース」と出てなこなかったら、何のテレビCMなのか誰もわからないと思います。
その前のイメージキャラクターは、女性芸人の「渡辺直美」さんでした。白・黒・赤・青・黄・緑の各々のカラーの衣装に身を包んだ6人の女性タレントが出るテレビCM、みたいな触れ込みだったんですが、一般的に知られていたのは渡辺直美さんだけで、あとの5人の女性タレントは「誰?」という感じでした。あまり話題にもならなかったと思います。ちなみに、その前も女性タレントの「南明奈(アッキーナ)」さんがイメージキャラクターでした。
にも関わらず、競艇場にいってみると、女性はほぼ皆無なんですね。全くいないとは言いません。100人のお客さんのうち、5人くらいは女性です。これでも多く見積もったくらいです。本当は100人中3人くらいかもしれません。女性ではなく、若者という視点でみたとしても、現在34歳の私(石田)が最年少のレベルです。20~30代のお客さんは、多く見積もって10%くらいではないでしょうか。
競艇のテレビCMで記憶があるのは、ここ数年の「アッキーナ・渡辺直美・すみれ」さんくらいなのですが、いずれも新しい層の競艇ファンを獲得するためにおこなっているのは間違いないと思います。「テレビCMが流れる番組」「起用しているタレント」「CMの中身」を見れば、新しいファンとして「女性と若者」にアプローチしているのだろうなということがわかります。が、現実の競艇場は書いたとおりです。
「何かを実践する」ということは、「成果を検証する」ということです。これが、「マーケティング」です。
はたして、ボートレース振興会はこれらのテレビCMの「成果」を検証しているのでしょうか。各日、各月、各年の「女性と若者」の来場者の推移をデータとして残しているのでしょうか。現場にはいっこうに「女性と若者」がきていないのに、毎年同じようなテレビCMを流しているってことは、「マーケティング」ができてないんじゃないかな~・・って、そんなこと私に言われても余計なお世話でしょうが。
実践と検証は、必ず「セット」です。「何かを実践する」ときには、実践の成果を「何で検証する」のかを事前に抑えておきましょう。ボートレース振興会が現在のテイストでテレビCMを打ち続けるならば、「女性と若者の来場者」は、必ず毎日データで残しておかなければいけませんね。
テレビCMを打つのも「ブランディングです。いつか効果がでるはずです」ではいけません。さらに言えば、広告によって「ブランドができる」ということはありません。浅はかな、勘違いです。
おわり。