著者:石田 麻琴

「今に集中する」環境をつくることで、パフォーマンスを最大化させる【no.0660】

 仕事をするにあたって、最適な時間で最適にパフォーマンスを上げるために必要なことは、まず「今に集中すること」だと思っています。

 仕事の効率化といっても限度があります。1件1件のメールを手作業で送っているのならば、メールの一斉送信ツールを使うことで効率化ができます。メーリングリストを作成して、1度に多くの人にメールを配信する手段もアリです。このあたりは、システムや仕組みの工夫によって効率化が図れます。

 しかし、たとえば、いま私がおこなっている「ブログコンテンツを書く」という仕事。これはいくら頑張っても5分で仕上げられるようにはなりません。すでに650以上、毎日ブログコンテンツを書きつづけていても最速30分の壁を破ることができません。初期は1コンテンツを書くのに3時間かかっていたので、早くなったことは早くなったのですが、やっぱり5分にはできないわけです。

 こういった仕事で、最適な時間で最適にパフォーマンスをあげるためには、まず「今に集中すること」つまり、「ブログを書く」時間はブログを書くことだけに集中できる時間をつくることが大切、というわけです。

 「今に集中する」ため、「今やること」以外の余計なことが頭に浮かんでくる状態は避けなければいけません。「あー、この後にあの仕事やんなきゃ」とか「今日の午前中までにアップしなきゃいけないのを忘れてた」とか「夕方からのミーティング資料を準備しなきゃ」とか、今への集中をさまたげるものを頭の中から排除したいわけです。

 あくまで私の場合の参考ですが、基本的に頭に浮かんだ課題はどんどん紙に落とします。もしくは、頭に浮かんだタスクをスケジュール(私の場合はグーグルカレンダー)に即落とします。課題もタスクも、頭の中で管理をするのをやめてしまうのです。紙やスケジュールに落とすことによって、頭の中の容量を空けるわけですね。サーバーも、容量満タンじゃない方が早く動くじゃないですか。あんな感じです。

 これを習慣的におこなうことによって、スッキリ「今に集中」して仕事ができる環境をつくれています。最適な時間で最適なパフォーマンスを出すために、大きなひと役を買ってくれているわけです。が、しかし、困ることもあります。頭の中の容量を空けることによって、頭で覚えない習慣もついてしまうのです。ここは紙やスケジュールを1日に何度か確認することによって、チェックをするしかありません。それでも、情報をすべて頭の中に収めている状態よりは、仕事がスムーズです。

 ECMJが推奨している「実行数値管理表」も同じ役割の側面があります。日々の数字と実践策・改善策・特筆事項・理由をきちんと書き出す、書き残すことによって、自分の頭の中にではなく、紙やエクセルに成果を管理させるのです。ネットショップ運営やWEBサービス運営を進める中で、あくまで「集中するのは今」であり、「今」の仕事に最適な時間をかけ、最適なパフォーマンス(最大のパフォーマンスでもいいかも)を出すことが大切だと思います。

 ここにおいてもデメリットは、紙やエクセルに管理させているので、頭の中では覚えていない状態になる、ということです。よく質問で「石田さんが関わった仕事で、過去に成功した販促企画などあれば教えてください」みたいなのをいただくのですが、けっこう困ります。基本的には紙やエクセルに管理をお任せしているので、端々での細かい戦術については頭の中で覚えていないのです。常に頭の中に入っているのは、「売上やアクセス数」などの数字と、「現状の課題」の2カテゴリだけです。

 おわり。