■楽天市場の歴史を振り返る‥!
私がネットショップの仕事を始めた2005年は、楽天市場にもっとも勢いがあった時期だ。2004年2005年あたりまでに楽天市場に出店したお店には、実際、かなり大きなチャンスを捕まえる機会があったと思う。楽天市場のサイトでは、ジャンル別の出店店舗の一覧を開店した順に見ることができる。例えば、アパレルのレディースファッションのジャンルのネットショップを見てみると、現存しているショップの中で最初に出店しているお店は1998年の6月だ。楽天株式会社の創業が1997年の2月、ショッピングモールのシステムの開発に約一年がかかったというから、この店はかなり早くから出店していたことになる。それから、出店店舗が5,000店舗、10,000店舗・・40,000店舗と増えていく中で、数々のスター店舗が生まれ、また思うようにネットショップに力をいれられず退店してしまったところもたくさんあると思う。1998年6月から数年の出店店舗を時系列に見ていると、スター店舗になれたお店とまだなれていないお店との違いはいったい何だったんだろうと思う。だって、最初からスター店舗になるなんて、出店の時点では楽天市場の担当者だってわからなかったハズだから。もちろん、スター店舗になれ、とかスター店舗じゃなきゃいけない、と言いたいのではなく、等身大のネットショップ運営をして、きちんと収益化ができていればよいと思っている。むしろ、EC業界で8年以上を過ごした結果、「等身大の着実な成長」が必要だと感じるようになった。もう、集客モデルの時代は終わったのだから。
■そしてヤフーショッピングの歴史を振り返る‥!
ヤフーショッピングのスタートが1999年の9月。ヤフーオークションと同時のスタートだったが、火が付いたのはヤフーオークションの方が先で、そちらからヤフーショッピングに流れてくるお客さんが多いと言われていた。ヤフーショッピングの場合は、ヤフーのポータルサイトが強いので、そこからの誘導いかんによって、お客さんの流れが大きく変わる。ヤフーオークションが2002年ごろから本格的に火が付き出し、ヤフーショッピングは2005年ごろから勢いが出てきたように現場で感じていた。私がネットショップの仕事を始めた後だ。
ネットショップをしている企業が、まずどこで最初に始めたかと言うと、やはり楽天市場が多い。特に、EC専業の企業は楽天市場からスタートした会社が多い。楽天市場ばかりかというとそうでもなく、自社サイトからスタートした、という会社も多い。自社サイトからスタートの場合は、既にビジネスをしていて、ネットにチャネルを拡大してきた会社のパターンがより多い。ここ3-4年では、ネットショップ専業の会社でも自社サイトでスタートという会社も出てきているが、やはり短期間で加速をつけようと思ったときに、ショッピングモールからと考えるのは、スタンダートかなと思う。ヤフーショッピングからネットショップをスタートさせた、という会社もあるが、けっこう稀な例だ。ヤフーオークションへのストア出店から、ヤフーショッピングに流れてきたパターンもあるのかもしれない。
■次はDeNAかAmazonか‥!
大手のオンラインショッピングモールというと、次に出てきたのはDeNAが運営するビッダーズだろう。いまはDeNAショッピングと言うのか?ちょっとわからない(以下、DeNAモールと呼ぶことにしよう)が、auの携帯でのアクセスだとauショッピングモールと呼ばれるところだ。docomo、au、softbankの各々の携帯端末によってショッピングモール名が異なる。DeNAモールの場合は、モバゲーから流れてくるお客さんが多いと言われていた。確かに、DeNAモールで活躍したネットショップは若者向けのアパレルを商材に扱っているところが多かった。DeNAモールは楽天市場、自社サイト、ヤフーショッピング、あたりを検討したあたりの次に手を入れているところが多いだろう。DeNAモールだけで出店しています、というところは聞いたことがない。そしてamazon。amazonは、ネットショップの出店というより、商品の出品というイメージなので、型番や商品名で検索のできない商材には向かないため、選択肢に入れていない会社も多いと思うが、これも手段のひとつ。
そんな感じで、楽天市場か自社サイトを基点にして、あとはどこのショッピングモールに出店するか、というような感じで2010年くらいまで進んでくる。なんだかんだで、ショッピングモールは出店費用もかかるし、ロイヤリティもかかるし、なによりショッピングモール側の都合に合わせなきゃいけないので、やっぱり自社サイトだよね、という話になっていた時期。ただお客さんのリテラシーも通信技術も進み、どんどんお客さんが自ら探していく時代になってきたので、膨大な情報の中から探されなければいけない自社サイトよりも、商品・ネットショップとして探してもらえるショッピングモールの方が有利なのでは?という考え方もある。おまけに、多店舗展開を考えた場合、googleの重複コンテンツの問題もあるので、さあ、これから出店展開をどう考えていくか。
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「これからネットショップに参入する場合『どこに釣竿を垂らすか』考えるポイントとは」後編