Eコマースの市場の変化について、改めて振り返ろう。七【no.0761】
Eコマースの市場の変化について振り返りたいと思います。(前回はこちら)
前回の続きです。こちらのブログですが、2011年前半までの振り返りはネットショップ運営担当者、スタッフの立場から、2011年後半からの振り返りはコンサルタント、経営者の立場からの視点になってしまうことをご了承ください。
自社サイトとともにEコマース事業に影響をを与えたのがソーシャルメディアの存在でした。
Twitterが大流行したのが2010年、facebookが流行り始めたのが2011年でした。ネットショップ事業者としては、このソーシャルメディアというものがどうすればEコマースに活用できるか、ひとつのポイントになりました。ネットショップがソーシャルメディアの活用を考える背景としては、やはり広告効果の下落がありました。どのネットショップも2010年2011年頃には新規顧客の獲得に悩み始めていたのでした。
当時は、「Fコマース」という言葉が流行りました。facebookを活用してのEコマースが「Fコマース」と呼ばれ、Fコマース関連のセミナーも多く開かれていました。「Fコマース」は「ソーシャルコマース」という言葉にも置き換えられました。しかし、今のところソーシャルコマースの解はまだ見えていないのが現実です。2011年当時はFコマースの「成功例」っぽいものが情報として流れていましたが、今ではめっきりになりました。
2009年以降、Eコマース市場の潮流が「需要<<<供給」に大きく流れていく中で、その市場の変化に大きな煽りを食らったのは、「Eコマース専業の小売り」の会社です。つまり、会社としてビジネスの軸がインターネットだけ、そして販売している商品は仕入れ、というスタイルの会社です。
この「Eコマース専業の小売り」が厳しくなった理由はここまで紹介したとおりです。ひとつは、インターネット上でしか新規顧客を獲得できないこと。なので、必然的にインターネット広告に頼らざるをえないこと。もうひとつは、「小売り」であるため他社と商品に差別性が無く、詰まるところ「価格競争」「サービス合戦」に陥ってしまうこと。もちろん、特定の商品を担当者ベースで独占的に仕入れている会社もありますが、その仕入れ先自体がネットショップを立ち上げる時代にもなっています。
2011年、2012年頃から、「Eコマース専業の小売り」の新しいEコマース市場参入が非常に難しくなってきました。
2011年~2013年にかけてはAmazon隆盛の年です。当初は、書籍やCD・DVDが中心でしたが、商材を徐々に拡大し、型番系の商品はほぼすべてカバーできるようになりました。また、即日配送の仕組みが早い段階で整ったこと、配送・決済のルールがほぼ統一であること、同一のアカウント(ID)でショッピングの利用が可能なこと、Amazonは他のショッピングモールや自社サイトがクリアしきれていないハードルをカバーすることができていました。
楽天市場やYahoo!ショッピング離れが少しずつ進んでいきます。出店しているショップによって、配送や決済の情報が異なるのでいちいち確認するのが面倒だというのです。また、特定のブランド、差別性がない限り自社サイトでの購入離れも進んでいきます。利用のたびに各々の自社サイトで新しいアカウント(ID)を作成したり、管理したりするのが面倒だというのです。Amazonに流れるのは当然かもしれません。お客様は利便性やスピードをより選ぶようになりました。
2013年にYahoo!ショッピングが「eコマース革命」を起こします。大手ショッピングモールとして初めて、出店費用・ロイヤルティの無料化を実現しました。これにより、ネットショップの出店者が爆発的に増えていきます。2015年現在で、Yahoo!ショッピングには30万店のアカウントがあるといわれています。また、CtoCモデルの個人間の売買のためのEコマースサービスが加速してくるのも2013年頃でした。
Eコマースの「出店」というハードルは非常に低くなり、その分だけ出店者が爆発的に拡大しました。しかし、問題は「買い手」をどう探すかということです。
つづきはこちら。
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