「お悩み商品」は直接的な検索から考えよう【no.2174】
先日、とある大学生にECのアドバイスをする機会があった。今回のECMJコラムは大学生にECのアドバイスをさせてもらった話―――
普段からお付き合いのある先輩経営者から連絡があり、美容系のECサイトを立ち上げた大学生がいるのだが、これからどう進めばいいか壁打ちをしてもらいたいと。その商品は、いわゆる「デリケートゾーン」専用のシャンプーで、事業を立ち上げた大学生には商品への想いがあるようだ。
*いかに商品を知ってもらうか
オンライン会議を設定し、まずは状況のヒアリングを進めた。商品づくりはどうやっておこなったか。どれくらいのロット数で、現状の販売実績はどうか。現状の販売実績に対する、完全新規のお客様(つまり、知人・友人のご祝儀購入ではない人)はどれくらいか。販売価格に対する原価はいかほどか。現状のECサイトは誰がつくったか。自分達ではどこまでの編集が可能か。そして、競合の商品はどこか。その競合の商品との違いはどこにあるのか。
まずはそれらをおさえた上で、ポイントになるのは。いかにして商品(=ブランド)を知ってもらうかだ。商品をつくり、ECサイトを立ち上げた時点で、一度プレスリリースを出している。いまのところ、認知策としてはこのプレスリリースの一手のみ。この手の美容系商品の場合、まず考えられる手はGoogle広告やFB広告といった、ネット広告なのだが、ご存じのとおり美容系の広告は激戦区である。テストデータを取るためにかなりの広告予算を使ってしまう可能性もある。
*直接的な検索から考えよう
そうなるとSNS戦略が考えられる。自社ブランドのSNS運用はもちろんのこと、インフルエンサーやブランドのアンバサダー(共感してくれているユーザー)に情報発信を手伝ってもらうのだ。ただ、まだブランドを立ち上げたばかりであるため、商品のユーザーや実績が乏しく、仮に情報発信を手伝ってもらったとしても販売までつながるには少し遠いだろう。インフルエンサーやアンバサダーも、「成果に繋がる発信」を優先しておこないたいはずだ。また、この商品は「デリケートゾーン」専用の商品であるので、「私はこの商品を使っています!!」と堂々とSNSで発信するようなものでもないのだ。
あくまで「お悩み商品」のひとつだと考えれば、SNSのような表立ったメディアよりも、ブログ・コラムのようなメディアが向いている。いわばコンテンツマーケティングをおこなうわけだ。こうなると「デリケートゾーン 石鹸」や「デリケートゾーン 化粧品」で検索する層を狙う、と思いがちなのだが、「お悩み商品」となると少し違う。自分自身が自分自身の悩みについて、自分のスマホでひっそりと調べるわけだから、もっと直接的な検索になるはずなのだ。「頭皮 薄い」で検索するよりも、「ハゲ 対策」のような検索に近くなるはずなのだ。
*インタビュー事例は一石二鳥
この「より直接的な検索」を狙っていくことが実は大切で、人間は必ずしもきれいな言葉で検索するわけではないのだ。また、この手の商品のコンテンツマーケティングを一気に広げていくためには事例インタビューを増やすことが重要になる。ECサイト(もしくは別枠でブログ)に事例インタビューを増やすことで、商品の信用と検索対策の一石二鳥になる。幸いなことにすでにご祝儀的な購入で数十件の販売実績があるようだから、ある程度の文量はなんとかなるはずだ。
むかし、とあるウエディング系情報サイトを上場させた経営者に話を聞いたところ、最初の1,000件のレビューは自分の足で増やしたといっていました。最初の1,000件、しっかりしたレビューをお願いできたからこそ、1,001件目のレビューも優良なものになったと。そうなんですよね。レビューが参考になると、自分も参考になるレビューを書こうと思うのです。まずは自分の足で頑張りましょう!
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