オフラインのセミナーでしか得られないもの【no.2170】
つい先日のことだが、ECMJも所属している団体でイベントが開催された。エンジニア系勉強会のセミナーだ。セミナー内容に興味があったので参加したのだが、迷わず「オフライン(リアル)」を選んだ。今日のECMJコラムのテーマは「オンラインとオフライン」について。
*圧倒的なオンライン参加者の多さ
言わずもがなだが、コロナ禍で一気に広がったサービスといえばZoomやMicrosoft Teamsに代表される、オンライン会議システムがそのひとつだろうと思う。オンライン会議システムは、社内外でおこなわれる会議だけではなく、オフラインで開催されるのが通常だったセミナー(講演会・勉強会)もオンライン化させた。
わざわざ会場までいく必要がない。時間効率が上がる。会場の広さの制限がない。レコーディング(録画)をすることも可能。音声をデータ化することで、AIを活用すれば議事録も自動生成することができる。まあ、AIの活用はコロナ禍以降のトレンドではあるが、オンラインセミナーのメリットはたくさんあるのだ。
というわけで、コロナ禍以降もオンラインでのセミナー開催が継続されている。また、今回私が参加したセミナーのように、オフラインとオンラインのハイブリッド型のスタイルで開催される形式も一般的になってきた。ちなみに、今回のセミナーはリアル会場(オフライン)での参加が21名、オンラインでの参加が117名と、圧倒的にオンラインでの参加者の方が多かったのだ。
*オンラインで得られにくいもの
しかし、意識の高いビジネスマンの皆さんは気づいているとおり、オンラインセミナー(オンライン会議も)では参加者とのコミュニケーションが取りづらいのだ。
もちろん、質疑応答の時間を使って、セミナー講師に質問をすることはできる。また、ブレイクアウトルームの機能を使って、参加者同士の意見交換の場を積極的につくっているセミナーもあるだろう。ただ、オンラインはその性質上、「1人の話をじっと聞いて、次の1人の話をじっと聞く」という状態になりやすく、みんなでワーッと話し出したり、近く座っている人に「ちょっとした小話をする」ようなことができないのだ。
さらにいえば、オンラインセミナーでは、自分の目的に合った話を聞くことはできるものの、新しい未知の出会いはほぼありえない。セミナーの目的は、セミナー講師の話を聞き学びを深めるだけでなく、参加者と共通のテーマから意見交換をして新しい発見や発想に気づくことでもあるならば、オンラインセミナーでは半分の目的しか達成することができない。オンラインセミナーが終わった後に、「今回参加していたあなたと意見交換したい」みたいな連絡はきたことがないだろう。
*1人気が合う仲間ができれば十分
こんなことをいっている私もコロナ禍以降もオンラインセミナーを選択する機会が多かったのだが、時間と場所により「リアルの参加ができる」ならば、オフラインの場にバシバシ参加していくことを心がけている。今回のセミナーでは、同じ団体に所属する数年来のメンバーと久々の意見交換をおこない、また共通の知人がいるはじめての方とお知り合いになった。後者の方は今後、共通の知人がいる勉強会に招待することになったのだが、こういった出会いはオンラインセミナーでは絶対にありえない。
特にビジネス目的で参加しているわけではないとしても、ビジネス的な観点からいえば、世の中にあまたある選択肢の中で自分や自社を必要なタイミングで想い出してもらえるかは、相手の頭の中にいかに自分や自社が残っているかだ。いわゆる「脳内SEO」の話なのだが、やはり実際に対面しコミュニケーションを取ることで発見や発想が広がっていく。1人のセミナーで1人、気が合う仲間ができれば十分なのだ。大切なのは、それを継続していくこと。継続すれば5年10年後に大きな価値になるはずなのだ。
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