Youtubeチャンネルの登録者数に差が出る理由【no.2161】
ちょうど同じような時期にYoutubeチャンネルをはじめた知人がいる。
ひとりは医療系のYoutubeチャンネルをはじめた。もうひとりはスポーツ系のYoutubeチャンネルをはじめた。1年以上が経ち、そのふたつのYoutubeチャンネルが今どうなっているか。
*なぜ、大きな差がうまれるのか
医療系のYoutubeチャンネルはさっくりとチャンネル登録者数10万人を超えた。実にさっくりと。そしてスポーツ系のYoutubeチャンネルはいまだチャンネル登録者1,000人を超えられないでいる。もちろん、ふたつのYoutubeチャンネルはともに定期的に動画をアップし、更新を続けている。
ここで医療系のYoutubeチャンネルが素晴らしく、スポーツ系のYoutubeチャンネルがイマイチだ、などと言う気は一切ない。ともに仲のよい知人であるため、会うたびにYoutubeチャンネルの状況について聞くのだが、動画の撮り方や動画の内容にさほどレベルの差があるようには感じない。また、スポーツ系のYoutubeチャンネルは「エンターテインメント」を目的にしており、医療系のYoutubeチャンネルは「学び」を目的にしているため、動画の性質も異なる。
あくまで「チャンネル登録者数」という指標でみた場合、医療系のYoutubeチャンネルとスポーツ系のYoutubeチャンネルにこれだけの差ができているのは、はたしてなぜなのか、という話だ。
ここで考えたいのが市場性、ということになる。
*実はすでに需要が渦巻いていた?
厳密な資料があるわけではないのであくまで予測のひとつになるが、スポーツ系のYoutubeチャンネルは需要が多いが供給も多い、逆に医療系のYoutubeチャンネルは需要は多いが供給が少なかったと考えることができる。医療系のYoutubeチャンネルの知人に話を聞くと、チャンネル開設直後から順調にチャンネル登録者が伸びているようだ。
この医療系のYoutubeチャンネルは、医療の「ある特定の分野」に特化したチャンネルなのだが、動画の市場における需要に対して「適切な」供給が少なかった(もしくはなかった)ことが考えられる。実はYoutubeの中では以前から需要が渦巻いており、そこに適切なYoutubeチャンネルが下りてきたイメージだ。こういった「実は市場があった」パターンは、適切な供給(あくまで「適切な」)を投下した瞬間から成果が出ることが多い。
*「一発ヒット」で逆転可能なネットの世界
ちなみに、この知人は実際に医者としても、この「ある特定の分野」が専門であるから、「需要と供給のバランス」を読み切ってYoutubeチャンネルをスタートしたわけではなさそうだ。そう考えると、あくまで「ある特定の分野」が「たまたまハマった」とも言えなくもないが、逆に医療というお堅い業界の中で自分の顔を出してYoutubeチャンネル開設というファーストペンギンになった行動が大きなリターンをもたらしているともいえる。
ひるがえって、スポーツ系のYoutubeチャンネルであるが、もしチャンネル登録者数という指標をもつのであれば「ある特定の分野」への絞り込みがまだまだ足りないのかもしれない。先に書いたとおり供給は多く、つまり競合は多いわけだが、需要も同じように大きいので専門性をもつことで一定の需要を取れなくないともいえなくない。ましてやネットビジネスは「一発のヒット」ですべてが逆転する世界だから、まだまだこれからだと思う。
*「ゼロイチ」を見つけ出すのは一緒
今回のECMJコラムのテーマは、まさに「ポジショニング」の話だ。
仕方ないことではあるが、医療系のYoutubeチャンネルとスポーツ系のYoutubeチャンネル、各々を立ち上げた時点である一定の市場性は決まる。それは単に市場規模だけではなく、Youtubeという市場の中での市場性にもいえる。しかしたとえば、医者の人間がスポーツ系のYoutubeチャンネルを通常は「やらない」。自分の得意分野でYoutubeチャンネルを開設するのが通常であるから、実はその時点で市場性は決まっている。
あとは「どの分野に特化するか」。もちろん競合のYoutubeチャンネルを調べつくして需給のポイントを見つけ出すのが理想ではあるが、あまたのチャンネルが存在し、そして今日も明日も新しいチャンネルが出てくる世界なのだ。ある程度「分野を絞る」という狙いを定めた上で動画を出してみる、そして反応をデータでみてみて「より特化すべきか」を考える。ここはECのマーケティングの原理原則と同じ方法で進んでいくしかなさそうだ。
いつでもネットのビジネスは「0→1(ゼロイチ)」が大変だ。「1」が見つかれば、あとは徹底的にボリュームを増やすだけなのだ。
カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 2.Eコマースを続ける, 7.Eコマースのひと工夫