EC事業を成長を左右する「スケジュール管理」【no.2098】
EC事業を成長させるために不可欠な要素はなにか。重要な要素はいくつかあるが、意外に思われるのは「スケジュール管理」だろうか。スケジュール管理はEC事業の成長を大きく左右する。
スケジュール管理を徹底する
多くのEC事業者はスケジュール管理が不十分な状態にある。もちろんスケジュールがないわけではない。ECサイトにおける新商品の発売、販促企画、広告の出稿、おのおのの施策を施行することは決まっている。ただ、明確に「●月●日にスタート」と決まっている事業者は少ない。そして、それを明文化し文字に落としている事業者はもっと少ない。さらに、「スタート」に至るまでのスケジュールを管理している事業者はさらに少ない。
その理由のひとつはEC事業の社内ポジションにある。多くのEC事業者にとって、EC事業は会社のメイン事業ではない。既存事業の販路拡大やマーケティングの一環としてECサイトが存在している。EC事業の専用の社内体制があるならスケジュール管理は徹底されるが、既存事業の一部としてEC事業がある場合はスケジュール管理が徹底しづらい状態になってしまう。
複合的な要因を発生させないように
ただ、ECほどスケジュール管理が大切になるビジネスはない。なぜならば、インターネットのユーザーの興味は一気に上がり、一気に下がるからだ。インターネットの世界において、「商機」は一瞬。この「商機」を逃すと、お客様のセッションや購買は競合ショップ、もしくは他ジャンルの商材に向いてしまうことになる。「商機」からたった1日遅れることがEC事業の成果を大きく分けることになるわけだ。
また、EC事業の成長に欠かせない要素として「データ活用」がある。ECMJコラムを読まれているみなさんはご存じのとおり、EC事業はデータ活用により成長していく。新商品を発売した後、販促企画をスタートした後、その成果のデータを取得して、改善施策を展開していく。その改善施策がどれくらいの効果をおよぼしたか。その成果もまた、データ活用によって確認されるものになる。
スケジュール管理が徹底されていない状態で厄介なのは、データ活用において複合的な要因が発生することにある。つまり、もし仮に販促企画の成果データがよくなかったとき、「販促企画が面白くなかったのか」それとも「商機を逃していたのか」、この分析ができなくなってしまうわけだ。スケジュール管理ができていれば「商機を逃していたのか」という要因は少なくとも省くことができる。
スケジュール管理シートを作成する
まずはEC事業のスケジュール管理シートを作成するのがおすすめ。月単位のスケジュール感でよい。新商品の発売、販促企画の開始、広告の出稿、メルマガの配信など、月内の予定を入力する。ここで大切なのは「発売日」「開始日」「出稿日」「配信日」を具体的に入力しておくことになる。これらの日付を「決める」ことが、スケジュール管理を徹底する出発点になる。
次に管理したいのが、「発売日」「開始日」「出稿日」「配信日」に対する準備期間になる。たとえば新商品の「発売日」が決まれば、そこから逆算をした準備の期日が決まる。新商品の発売であれば「サンプル取り寄せ」「撮影」「コーディング(商品ページ作成)」「商品登録」「在庫入庫」などだろうか。これらが揃わないと新商品を発売することができない。
ポイントはこれらもできれば明文化しておくこと。各納期と品質をチェックするシートやミーティングを定期的に入れておくのが良い。もちろん、「発売日」までの準備のスケジュール管理だけではなく、新商品を発売した後の「情報発信」や「成果検証」も一連のスケジュールに入れたい。とても地味な仕事になるが、これを繰り返すことでEC事業の力は着実にレベルアップしていく。
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