いかにネットショップの「人気(ひとけ)」を伝えるか【no.2081】
お客様が並んでいる。この状態はまだサービスを利用していない潜在顧客を見込顧客に引き上げる効果があります。
潜在顧客が見込顧客になる瞬間
ECMJがオフィスを構えている東京の池袋駅。こちらに人気のラーメン屋さんがあります。ご存じの方も多いかもしれません。池袋駅から徒歩3分、明治通り沿いにある「無敵家」というお店です。いつお店の前を通ってもお客様が並んでいるラーメン屋さん。「あ、あそこか」と思い出す方もいるのではないでしょうか。
実はECMJのオフィスは無敵家さんから徒歩2分のところにあります。我々が池袋駅に移動する際、必ず通る道にありますから、その混雑ぶりが毎日目に留まるわけです。「この時間はめちゃくちゃ並んでるな」。「今日はあまり並んでないんだな」。そんなことを考えながら無敵家さんの前を通るのですが、「今日はあまり並んでないんだな」と思ったときには自分が最後尾に並んでしまう一人になってしまうわけです。
店舗の前に人が並ぶのは、ある種の人気のバロメーターです。「美味しいラーメン食べたいな」と考える潜在顧客が、「あそこのラーメン食べてみたいな」という見込顧客になる大きな理由になるのです。だって、いつも並んでいるお店なのですから。
できる限りの「人気を演出」する
以前、とある会社さんについて友人から聞いたことがありました。その会社さんは、駅ナカでスイーツを販売するお店です。駅ナカもしくは駅の構内にイベントスペース的な感じで期間限定の出店をしているお店があると思います。あれです。あの事業をやっている会社さんなのですが、設立2年目にして駅ナカの出店権利を得たのは初のことだったというのです。とにかくすごい会社さんがあるのだよと。
イベント販売のノウハウについていくつか聞くことができたのですが、その中で印象的だったのは「お客様に並んでもらう」でした。ひとつはお客様に見てもらうこと。人だかりがあるとその他のお客様も寄ってきてくれます。逆に、誰も見ていないお店は自分が最初のお客様になるのは憚られるものです。そして、いかにレジ待ちをしてもらうか。ここがポイントで、レジ待ちのお客様が多すぎる状態もよくありません。時間のないお客様が諦めてしまうからです。
なので、お客様が少ないうちはレジ待ちが2-3名できるスピードでレジ打ちをおこない、レジ待ちのお客様が増えたらスピードアップ、もしくはレジの数を2つに増やしてできる限り「人気を演出」するというのです。なぜなら、並んでいるとお客様が興味を示してくれるから。ただそれだけです。
お客様が見えない中で「ひとけ」を伝える
我々Eコマースの世界においても「並んでもらう」ことで、よりお客様の興味を強めているショップがあります。先日、友人から聞いたのはクラフトビールのネットショップの話でした。
このネットショップは普段、全商品の在庫がゼロになっています。ショップがあらかじめ次のクラフトビールの発売を告知するのです。その日のその時間からだけ商品を購入することができる、そんな仕組みです。ただ、商品の在庫が残ることはほぼなく、ネットショップ上での在庫はすぐにゼロ。在庫数の設定なのかもしれませんが、争奪戦になるというのです。
ちょうど友人とネットショップの話をしていた時間がクラフトビール発売の時間でした。急いでアカウントを発行し、発売時間に備えます。発売開始と同時に商品をカゴに入れたのですが、通信状態がいまいち悪く、Amazonペイ決済でモタついている間に在庫がゼロになりました。こうなるとどうしてもこのクラフトビールが手に入れたくなります。次回の発売をひたすら待っている状態です。
ECの世界では「人気(ひとけ)」という言葉で表現されます。並んでいるお客様が見えない中で、いかにお客様に「ひとけ」を伝えるか。実店舗の事例も参考に、ぜひ考えてみてください。
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