「ムーブメントの起こし方」から学ぶSNS戦略【no.2071】
ムーブメントの起こし方という動画を見たことがある人は多いと思う。以前流行り、また時たま定期的に流行り出す動画になる。
音楽フェスティバルで踊るひとりの男性
とある音楽フェスティバルでひとりの男性が踊っている。男性の踊りはとても特徴的、というより奇妙。男性の周りで踊りをみている人たちは冷ややかな目線を送っている。それでも男性は特徴的な踊りを続ける。そうすると、ひとりの男性が近づき、面白半分に男性と同じ踊りを始める。それは最初の男性をからかっているようでもあるが、最初の男性はこの男性を受け入れ、一緒に踊り出す。
ふたりで踊り続ける男性。周りの人たちはこのふたりに依然冷ややかな目線を送っている。それでも踊り続けていると3人目の男性が近づいてくる。2人のダンスが3人のダンスになると大きな違いがある。周りの冷ややかな目も、どこか3人の踊りを気にするようになっていく。
3人で踊りだすと、ほどなく4人目5人目の男性がやってきて踊り出す。もうこうなると集団は一気に膨れだす。冷ややかな目で見ていた人たちが老若男女関係なく集まり出し、踊りの大集団となっていく。これを、ムーブメントと呼ぶ・・こんな動画である。(まだ見たことがない方はぜひYoutubeで)
運命を握るのは最初のフォロワー
この動画から学べることは、ひとつは「ひとりで踊り続ける時間」である。人は何か新しいことをひとりで始める。もちろん数人で始めることもあるが、最小単位でのスタートになるはずだ。このひとりの時間はとてつもなく長い。自分で自分自身を発信しなくてはいけない。ただ、わかりやすく楽しく、自分と一緒に踊ることは楽しいのだと、自分自身が心底好きでなければいけない。
そして、もうひとつ。ムーブメントの運命を握るのが最初のフォロワーだという。最初のひとりに共感した人間が、なぜか自分と一緒に踊るフォロワーになる。理由はよくわからないが、とにかく踊ってくれる。最初のひとりはこの最初のフォロワーをないがしろにしてはいけない。なぜなら、このフォロワーが次のフォロワーを連れてきてくれるからだ。
これが3人4人5人と増えれば、爆発的にフォロワーは増えていく。最初のひとりをよく知らずとも、その集団(集まり)自体が外側から魅力的に見えるからだ。これは、現在におけるSNSの戦略とまったく同じになる。
ひとり目のフォロワーはお金では買えない
EC事業の集客・認知の導線としてSNS戦略がある。SNSの影響力は年々増し、BtoCビジネスだけではなくBtoBビジネスにおいても必要不可欠になりつつある。しかし、多くのアカウントにとっては、「フォロワーゼロ」からのスタートになるのが普通。いかにして「バズる」かを考えているうちに、SNSの運用をやめてしまったり、意味のないインフルエンサー広告に手を出したりしている事業者も多い。
SNSについては、大手企業のアカウントも中小企業のアカウントも、その「魅力」という点においてのスタートラインは一緒である。大手の知名度があるブランドだから、SNSの投稿内容が「面白い」ということは必ずしもない。商品が魅力的だとか、写真が魅力的だとかいう違いは当然あるだろうが、ノウハウはスタート地点では一緒だ。
まずは情報発信を続けることではなかろうか。継続していれば必ず「ひとり目のフォロワー」が生まれる。このひとり目のフォロワーはお金では買えない。ひとり目のフォロワーと双方向のやり取りをしながら、ひとりひとり熱いフォロワーを集めていく。一見、地味で面倒で時間がかかることのように感じるかもしれない。しかし、「軸」がなければ輪は広がっていかない。時間をかけて「軸」となるフォロワーを増やすことが、SNS戦略の原則なのではないだろうか。
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