いかにお客様の「選択動機」にヒットさせるか【no.2060】
(2022/9のコラムリライトです)
「選択動機」って重要だと思うんですよね。お客様がなぜその商品を選ぶか。なぜその商品を買いたいと思ったのか。利用したいと思った動機はなにか。世の中には商品も情報もサービスもありふれています。その中で、いかにお客様の「選択動機」にヒットさせるかが大切です。シンプルにいえば「提案」ということですね。
条件選択にある項目は選択動機
「選択動機」という言葉を考えたとき、真っ先に浮かんだのがホテルでした。ネットショップの例ではなく恐縮ですが、ホテルには明確な「選択動機」があります。私の場合は「大浴場」です。もしくは「部屋風呂」です。大浴場があればベストですし、広めの部屋風呂があればベター。部屋にシャワーしかなければ選択外ということになります。
そして「駅からの近さ」「部屋のきれいさ」「部屋の広さ」「価格」と選択肢を狭めます。ある程度、総合的な観点から最終的な予約を決めるわけですが、まずメインの条件にもってくるのが「大浴場」です。
「駅からの近さ」をメインに持ってくる方もいると思います。「価格」をメインにもってくる方もいると思います。ただ、何か「メインとなる条件」があり、そこを軸に総合的な加点(減点)をして選ぶ。これが一般的な消費者の選択ではないかと思うんですね。
ちなみにですが、ホテルの「選択動機」については、予約サイトが条件選択を入れているので便利です。逆にいえば条件選択にある項目は、「お客様の選択動機である」ともいえるのです。どの条件項目にもヒットしないホテルは、お客様の選択動機に引っかからないホテル。残念ながらそうなってしまいます。
お客様により自社の選択動機を探す
大切なのはどの「選択動機」で勝負をするかになります。ホテルの場合は上記のように、お客様の選択動機を条件選択のカタチで予約サイトが教えてくれています。条件選択に合わせて、自社のアピールポイントを強く表現すれば予約率は上がるでしょう。たとえば、私の選択動機である「大浴場」をウリにしているホテルの場合。「大浴場」の条件選択をされた場合に「大浴場の具合(広さ、きれいさなど)」がわかる情報を載せておいた方が予約率が上がります。
ホテルの予約サイトのようなものが存在しないネットショップの場合。詳細な条件項目をつくっている競合ネットショップを探しましょう。お客様がどういう観点で商品を探しているかをしっかり分析していますので、それが条件項目に反映されているはずです。ちょっといやらしい考え方ですが、ECサイトだからこそのリサーチです。また検索クエリや検索のサジェスト、サイト内検索にも選択動機が見え隠れしている可能性があります。そしてお客様の声ですね。問合せメール・電話、レビューなどを分析して、自社の選択動機を探しましょう。
「リピートするか」をシビアに考える
もうひとつ大切なことがあります。自分が利用した商品・サービスを「リピートするか」という観点でみることです。先ほどのホテルでもそうですし、なにげなく入ったラーメン屋さん、ネットで買ったスイーツ、母の日や父の日のプレゼントなどなど。
自分が新規顧客として利用したものについては「なんとなく」があるはずです。ここが新規顧客獲得の難しいところで、「選択動機」が曖昧で「なんとなく」の可能性もあります。だからこそ「露出が多い方が圧倒的有利」であるわけです。しかし、リピートするか否かについては「なんとなく」ではない理由があるはずです。
自分が日々の生活で利用した商品・サービスについてリピートの動機を探す。これは習慣になると何でもかんでもやってしまうようになります。「何人かリピートしてくれるんじゃない?」ではなく、「実際、本当に、リピートする人がいるか?」が重要ですので、シビアに考える癖をつけましょう。
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