ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「お客様のニーズの変化」を探す習慣をつける【no.2052】

(2022/8のコラムリライトです)

ECのマーケティングにおいても大切なこと。それは、常に現場から「お客様のニーズの変化」を探す習慣をつけておくことです。

日々、お客様は変化をしています。世の中の情勢や環境によって、購買行動は変わります。また市場の変化だけではなく、競合の展開によってもお客様の思考は変化します。EC運営の業務量は少なくはありません。日々、受注や物流に対応するだけでも精一杯というケースもあるでしょう。その場合、どうしても外側の変化に対する意識が弱くなっていきます。自社のネットショップの管理画面だけを毎日見ている状態になりがちです。

まずは受注データに注意する

まず大切なのは、ネットショップの受注データを見ることです。定期的に、定型のデータを見ていきましょう。

理想をいえば、データ分析の最小単位は「毎日」です。「受注件数順」と「販売金額順」。この2つの観点から販売実績を毎日確認したいところです。もちろん、毎日システムからデータをダウンロードして加工するわけにはいきません。手間がかかってしまいます。ツールやエクセルを上手に活用して、できるだけ自動でデータを整形できるようにしておきましょう。

現実的には「毎日」ではなく「毎週」「毎月」の確認となります。定例のECのマーケティング会議があるならば、その頻度に合わせてデータを集計するのも良いでしょう。とにかく、ポイントになるのは「定期的」であることです。定期的であるからこそ「お客様のニーズの変化」に気づくことができます。

伸びている商品やカテゴリに気づく

データを見る視点は「伸びている商品」や「伸びているカテゴリ(商品群)」です。データを見るときに「数字が下がっている」「数字が上がっている」を同時に見てしまうと視点が混乱してしまいます。まずはデータが「伸びている」商品やカテゴリに気づくところからはじめていきましょう。

データの伸びに気づいた後、大切になるのは「どうしてその商品(カテゴリ)が伸びているのか?」です。データは「結果」であり、「結果」の裏には必ず「原因」があります。データが動いた「原因」を掴むことが、ECのマーケティングを成長させていくのです。まさに「なんで数字が伸びたのかがわかれば、どすれば数字が伸びるかがわかる」です。

データという「結果」の裏には必ず「原因」があります。ただ、その「原因」をEC運営をする我々がすべて把握できるかというと残念ながらそうではありません。「原因」の30%でも掴むことができれば、良い方ではないでしょうか。大切なのは「データの変化」に気づき、そこからどのような「仮説を立てられるか」です。そして、この仮説を「施策」に落とし込むことです。

「原因」がわかなければ露出してみる

「結果」の対する「原因」が明確にわかればよりわかりやすい対策を打つことができます。たとえば、ある商品の受注が突然跳ねたとします。その原因が「YouTuberが紹介したから」だと特定できたとします。そうすれば、「YouTuberに紹介されました」と情報発信をしたり、影響力のあるYouTuberにコンタクトを取るなど、次の施策につながっていくはずです。

では「原因」がわからない場合。原因がわからないからと、そのままデータ分析の気づきを放っておくのはもったいないことです。「原因」がわからなくても、「最近売れている商品」としてとりあえずECサイトに強い露出をかけてみましょう。「売れている商品」だからという理由で反応するお客様もいるかもしれませんし、露出を強めたことで「原因」を特定できる反応をしてくれるお客様がいるかもしれません。

「原因」がわからなくても、まずは施策化してみる。これも「お客様のニーズの変化」に対応したといえる一手です。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 5.Eコマースの分析

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから