お客様がお客様を呼ぶ仕組みをつくるために【no.2023】
今回のテーマは「お客様がお客様を呼ぶ仕組みをつくる」ことについて。
スポーツジムの専用アカウントを作成した
以前、少し触れましたが、とあるスポーツジムに通っています。数年前から流行っている「暗闇エクササイズ」系のスポーツジムです。入会後1ヶ月くらいからハマりはじめ、ほぼ毎日通うようになったんですね。インストラクターさんも顔をおぼえてくれたりして。しかしコロナ禍によりジムに通えなくなってしまいました。スポーツジム自体がやっていなかったですし、再開してからも段階的に通う回数を増やしていったんですね。
そんな自分を抑え込んでいる期間が長かったものですから、「もっとエクササイズしたい!!もっとスポーツジムの情報が欲しい!!」と思って、思いついたのがTwitterでした。Twitterならばスポーツジムに通っている人からレッスンの情報がもらえるのではないか。スポーツジムに通わなくても交流ができるんじゃないか。そう考えたんですね。
案の定、Twitterでこのジムの名前を検索すると、わらわらツイートが出てきます。よく見るとジム用のアカウントでジムに関係する情報だけをツイートしている、いわゆる「専用垢(専用アカウントの略)」をつくっている人もいます。そこで自分もそれに真似て専用のアカウントを作成したんですね。本アカ(メインのアカウント)はECMJとして使っています。ですから、そこでスポーツジムの話を激しく投稿してしまうのは変じゃないですか。
SNSに投稿して情報交換するという楽しみ
Twitterのスポーツジム用の専用アカウントを作成したのが7月。こういった仕事をしていますから、アカウントを活性化するためにどんなアクションを起こせばいいのかはなんとなくわかります。SNS活用のノウハウを使って、一気に100人くらいの「Twitter上のジム仲間」を増やしました。といっても何かのマーケティングのためにアカウントを使っているわけではありません。楽しくTwitterを活用しつつ、今500人くらいですかね。フォローもフォロワーも。楽しく情報交換しています。
で、日々このジム専用のアカウントをどう使っているかです。主に自分が受けたレッスンの感想や自分の所属店舗以外の情報をキャッチすること。あとは他愛もない話。フォローしている皆さんのツイートへの反応って感じです。この専用アカ開設以降、このジムがより好きに、より楽しめるようになりました。私より以前から通っていた皆さんが、ジムの楽しみ方を教えてくれますしね。
ここでのポイントは「ジムに通ってエクササイズを楽しむ」だけではないところです。「SNSに投稿して情報交換を楽しむ」という二重の楽しみがあることなんですよね。これはこのジムに限らず、様々な市場で起こっていることなのではないかと思います。そして「お客様がお客様を呼ぶ仕組みをつくる」ためには、後者が発生するか否かが重要なんですよね。
界隈に入り込まないとわからないこと
ジムの専用Twitterアカウントを作成し、運用をはじめてから気がついたことですTwitter上で情報交換しているコミュニティ(界隈みたいな表現が適切かも)にもヒエラルキーみたいなのが存在するんですよね。毎月めちゃくちゃな数のレッスンを受けてる人。界隈の中でもはるか昔からこのスポーツジムに通っている人。強度の高いレッスンばかりを受けている人とか。みんなのまとめ役的な人とかもいます。
こういうのって、界隈の中に入り込んでみないとわからないことです。「情報の中心」になっている人って必ずいるんですよね。その人たちを中心にして、スポーツジムの情報交換が展開されています。会員同士が勝手に情報交換し盛り上がって、また明日のジムを楽しみにするわけです。でもこれってジムの運営側は一切介在してないことなんですよね。驚くことに。「お客様同士が勝手に盛り上がる仕組み」が出来上がっているわけです。
お客様同士が勝手に盛り上がる状態が理想
私が専用アカウントをつくった時点ではすでに「界隈」は出来上がっていました。今までどんな過程で「界隈」ができてきたのかを知ることができません。ただ、マーケティングを展開している我々は、なんとなく「SNSを活用した、お客様同士が勝手に盛り上がる状態」がキーポイントだと感じているはずです。
よく企業が「ウチの商品をインスタに上げてください!」的なキャンペーンをおこないます。恥ずかしながら私もクライアントさんと同じようなことをやったことがあります。しかしほぼ無風でした。でも、このジムのように「会員同士(=ユーザー同士)」では、界隈が出来上がっていて、活発な情報交換がされているものなんですよね。そう考えると、「ウチの商品をインスタに上げてください!」的なキャンペーンがいかに的はずれだったかがわかるかも・・
界隈をつくるための1人目はどう生まれるのか
この「界隈」のつくり方について知恵をふり絞っています。ポイントになるのは、そのサービスや製品のことをよく知っていて、かつSNSで発信をしてくれる「情報の中心」の1人目をいかにつくれるかだと思うんですよね。もし、私がジムをTwitter検索したとき、ツイートしている人があまりいなかったとしたら、そこで止まっちゃったと思うんですよ。おそらく、サービスについてSNSで発信している人よりも、サービスについてSNSで検索している人の方がはるかに多いはずです。その「検索(=情報)の落としどころ」がなければ、「界隈」はできないでしょう。
ユーザーさんって、サイレントに応援してくれている層がそれなりにいます。いて、SNS投稿の反応が数字上イマイチだったりしても結構見てくれているものなのです。この「サイレント応援ユーザー」を、いかに「情報の中心」に引っ張り出せるか。まあ「中心」とまではいかなくてもまずは「自分たちから発信」してもらえるか。ここが大きなポイントです。おそらくここは「リアルの場」が大きな役割を果たすのではないかと何となく感じています。
【合わせて読みたい】
SNSが変えたECにおけるリアル活用ニーズ【no.2017】
個人SNSで愛を叫ぶ情報発信、共感を呼びコミュニティ形成へ(ダイヤモンドシグナルさん)
カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 2.Eコマースを続ける, 8.Eコマースの集客