世の中は「DX!DX!」というけれど‥免許更新で感じたこと【no.1986】
世の中は「DX!DX!」というけれど‥免許更新で感じたことを書きます。
先日、運転免許の更新にいってきたんですね。わたしは長年ゴールド免許保持者としてやってきました。しかし、この数年でやっちまいまして違反者講習ということになりました。
ご存じの方も多いと思うのですが、違反者講習は最寄りの警察署では開催をしていません。免許更新は、東京だと江東・鮫洲・府中のいずれかの運転免許試験場で2時間の講習を受けることになります。今回のECMJコラムは免許の更新で気づいたこと・・。
*運転免許試験場で気づいた驚き
私の自宅そして最寄りの駅から近いという理由で向かったのは江東運転免許試験場です。講習を受ける前に、更新料を支払ったり、視力を検査したり。また、新しい写真を撮ったりという手続き系が入ります。運転免許試験場に入った瞬間にその順路が明確に指示されているのが印象的でした。
よく会議で「誰でもわかるようにわかりやすく」みたいな話が出るじゃないですか。自分たちでどのようなサイト、どのような表現がわかりやすいか。それを考えることも大切だと思います。それとともに、こういう「いろんな人が行くところ」を見回してみるとヒントがある気がしました。
運転免許試験場って、更新する人の誰もが「100%わかるように」しなきゃいけない。たとえ20歳の若い方も65歳のシニアも。あまりお勉強が得意でなかった方も。デジタルのツールにほぼ触ったことがないような方でも。全員「100%わかるように」手続きの設計をしているのだと思うんですね。
その証拠に、基本的には手続き系は「番号」で指示が進んでいきます。たとえば「次は視力検査にいってください」とかじゃないんですね。もう、「次は7番にいってください。7番です」みたいな。おまけにフロアにはビニールテープで次の移動先の矢印が貼られているみたいな。他には、「受付」という文字もフォントのサイズだと2000とか5000とかになるんですかね。絶対に間違えないようになっています。
*免許更新にそもそもDXは必要なのか?
違反者講習は、受付が8:30開始で最終受付が14:00だと記載されていました。しかし、「何分おきに開始されるのか」は書かれていません。それで「いった時間がちょうど始まった後で、『2時間後です』とかいわれたらやだなぁ」と思っていたのですが、1時間おき。しかも、「部屋に人数が埋まり次第、開始時間を早めます」というルール。
この開始時間についてはホームページにも記されていません。あえて明記すると「開始時間を狙って」くる人が続出するから、でしょうか。その割に、講習開始後席が埋まっていなかった場合、受講者を入れていました。
講習は1人の担当者がついて口頭で交通ルールについて講座をします。たとえば現代だと、サテライトにするとか動画にするとかのDX的方法はあります。けれども、やっぱり人が前に立って生の声で話さないと真面目に聞かないですよね。また講習中は机の上に携帯電話を置いてはいけないのがルールです。みなさん従っており、「人が立って講習する」抑止力が働いているように感じました。
世の中は「DX!DX!」と叫ばれていますが、アナログの良いところもあるわけです。実は違反者講習の内容は正直あまり覚えてはいません。しかし、2時間の講習だったことはよく覚えています。「2時間の講習を受けるの嫌だから、違反しないように気をつけよー」。これも十分な抑止力のひとつかもしれませんね。
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江東運転免許試験場(警察庁さん)
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