EC事業の成長のポイントは「スケジューリング」【no.1974】
EC事業の成長のポイントは「スケジューリング」にあります。
EC事業を着実に進捗させるために大切なのは「スケジューリング」です。特に、母体の既存事業をやられていて、ECに新しい販売チャネルを展開する場合です。いかにECを進捗させる「時間をつくる」かが、成長を大きく分けます。
スケジューリングしないと既存事業に時間は流れる
なぜスケジューリングが大切なのか。それはEC運用の時間をつくらないと、既存事業に優先順位をとられてしまうからです。ほとんどの事業者において、EC事業をはじめたときから売上がつくことはありません。完全なる赤字からEC事業はスタートします。
あくまでEC事業が継続できる理由は既存事業が軌道にのっているからです。既存事業で得た利益をEC事業に回しているわけです。もちろん会社にとっては「既存事業」の方が大事です。そして既存事業のスケジュールやルーチンの徹底の方がはるかに浸透しています。はっきりEC事業をスケジューリングしないと、既存事業に時間は流れていくのです。
競合他社には専任担当者をおいてECのマーケティングを展開している会社もあります。その会社と真っ向勝負を挑むことだけがEC事業の戦略ではありません。しかし「かけている時間」はある程度成果に関わってきます。その点でも重要なのが「スケジューリング」ということになります。
お客様に提案する日から逆算してスケジューリング
最初にスケジューリングするのは、EC事業がお客様に「なにか」を提案する日です。新しい商品の発売だったり、新しい販促企画の告知だったり。メールマガジンの配信だったり、お客様に提案する日をまず設定します。お客様に提案する日を設定してから、逆算して準備をスケジューリングします。
たとえば新商品の発売です。新商品をお客様に提案する、つまりオンラインショップのサイトにアップするためには、商品ページへの商品登録が必要になります。商品登録をするために必要なのは、登録する素材です。商品の画像や商品説明のテキスト、販売価格や在庫数。そして納期などといった情報も必要になるかもしれません。作り込みのページならば、HTMLの素材も必要になります。
商品の画像は、商品の物撮りだけではなく、アパレルであれば着用画像、食品であれば調理画像が必要になるかもしれません。屋外での撮影となれば天候如何でずれ込む可能性もあります。ある程度バッファをもってのスケジューリングが大切です。また、撮影の時点で商品が入荷していない場合もあります。サンプルの管理も重要です。そもそも商品自体の企画がなければ新しい商品を発売することができません。
お客様に提案する日にちを決めることが出発点
新商品の発売日が決まると、発売に至るまでのスケジュールを設定することができます。社内で工程をマニュアル化していれば、発売日を入れた瞬間に商品企画のタイムリミットが設定されるはずです。逆にいえば、新商品の発売日が決まらなければ、商品企画のタイムリミットも決まらないのです。
EC事業を着実に進捗させるために大切なのはスケジューリングです。母体となる既存事業をやられている会社の多くがつまずいているのがここなのです。EC事業が成長しないのは、試行錯誤するための時間をとっていないからなのです。まずはお客様に提案する日にちを決めること。これが出発点です。もうひとつ加えるならば、「決めた期日は必ず守る」という社内文化をつくることです。
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