ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

将来EC業界にはいるために、いま学んでおいた方が良いこと【no.1876】

 先日、ネットショップ担当者フォーラムさんでウェビナーに登壇させてもらいました。私とECMJのシニアコンサルタントの武田さんとの掛け合いで、Eコマース事業の「組織・人材・仕組み」について話していく会だったのですが、ウェビナー中にいただいた質問がいくつかあるので共有したいと思います・・の4回目です。

 前回のECMJコラムに続き、こちらも事前にいただいた質問で「おふたり(武田さんと私)がEC業界に入られた理由は何ですか?また、将来EC業界で働きたいと思っていますが学んでおいた方が良いことはありますか?」という質問をいただきました。こちらの質問についてウェビナーの残り時間の都合上、あまり十分な回答ができなかったので、ECMJコラムに書かせてもらいたいと思います。

 まずEC業界に入った理由ですが、「たまたま」というか、私の場合「他に入れる会社がなかったから」という残念な理由からでした。私は大学時代、スポーツ新聞の記者を志望していましたが新卒採用で全滅。大学を卒業し「既卒採用」を受けましたが、そこでも採用には至りませんでした。家族の都合上・・というか、両親が「お前、そろそろ就職しないのはさすがにマズくないか?」という雰囲気を出してきたので、仕方なく1年半フリーターをしていた身でも正社員採用をしてくれるところとして見つけたのが、前職のEコマース事業をおこなっているベンチャー企業だったんですね。

 なので、あまりポジティブではない理由というか、インターネットの可能性とかEコマースでひと旗あげるとか、そういった理由でEコマース業界に入ったわけではありません。インターネットでヤフオク!(当時のYahoo!オークション)くらいはやっていましたが、インターネットにもパソコンにも詳しかったわけでもありません。エクセルの使い方含め、前職の会社に入社してイチから先輩方に教えてもらった感じです。いま振り返れば、本当につらい時期だったかもしれません。

 ただ、Eコマース業界に入ってよかったことがあり、それは「Eコマース運営は仮想経営」だということなんですね。ネットショップの運営を日々おこなう中で、商品開発や広告運用だけではなくデータベース管理とかカスタマーサポートとか物流管理とか様々な仕事を経験することができました。Eコマースって横串で仕事ができるんですよね。会社の規模が小さかったというのもあると思いますが、ページ制作だけとか広告運用だけとかシステム開発だけ、のような縦割りでの仕事じゃない発見がありました。部分最適ではなく、全体最適を見る目が養われると思います。

 なので、「将来EC業界で働きたいと思っています」への回答としては、「絶対にEコマース業界はおすすめです」と言えます。ただ、もし質問してくれた方が学生さんだった場合、このご時世において新卒のカードをEC業界に使うのが正しいのか否かというとちょっとそれはわかりません。私だったら、他の業界に就職してしまっていたかも・・。

 「将来EC業界で働くために学んでおいた方が良いこと」という質問ですが、ズバリ、ネットショップを自分で運営してみるのが良いと思います。ハードルが高い提案に思えますが、そうでもありません。ショッピングモールにネットショップを出店するのは学生さんだと難しいかもしれませんが、メルカリやヤフオク!を使った商売はできます。BASEやストアーズを使ったEコマースでも良いかもしれません。とにかく、商品を探す、出品する、集客する、販売する、注文を処理する、商品を送る、メールを送る、というような一連の流れを経験することが、後々大きな財産になると思います。在庫が残って少し大変な思いをすることもあると思いますが、在庫で悩んだ経験がない方がもったいないです。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから