ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

最近本格的にEコマースを始めたとあるショップの話【no.1858】

 最近、Eコマースを本格的にスタートしたブランドで楽しみなショップがあります。幸いなことに、ECMJが顧問先として入らせてもらっているのですが、立ち上げからの成長をまさに見守っている感じで楽しいのです。

 今回のECMJコラムはこのEコマースサイトの成長の話です。これから帯を締め直してEコマースに取り組まれる方々にはぜひ読んでもらいたい内容です。

 このネットショップですが商材はペット用品を取り扱っています。まだ立ち上げたばかりのショップで商品点数は多くありません。むしろ、数点しかありません。ただ、主力の商品は仕入れではないオリジナルの商品、しかもショッピングモールの市場をよくリサーチした上での「売れる可能性が非常に高い」商品です。

 この「売れる可能性が非常に高い」商品について少し説明をします。ショッピングモールの販売分析をするツールを使って、定期的に売れている商品でなお且つそれなりの売上実績があるものを選択、この商品に「価格」「機能性」「ブランド」などの面から「勝てる」商品を企画していくのです。ショッピングモールの販売分析をしての商品企画ですから、「売れる可能性が非常に高い」商品であることは間違いありません。

 すでに市場において「売れている」商品を付加価値で上回る「売れる可能性が非常に高い」商品を開発し、次のポイントになるのは集客です。こちらについても「できる限り『売れている商品』と比較される」見せ方を狙います。こちらとしては比べられたくないのではなく、むしろ比べてもらいたいわけです。比べてもらうことで、いま「売れている商品」の集客を「売れる可能性が非常に高い」商品につなげることができます。

 そしてこちらのネットショップのオーナーはEコマース事業を始める前からペット用品についてのSNS発信を継続しており、ある程度のフォロワーさんがおります。と書くと、「SNSのフォロワーが多いからEコマースも有利なんだろう」と思われてしまうかもしれませんが、いまのところSNS発信による売上の効果があったのは「開店記念セール」をおこなった開店初月だけでした。

 「売れる可能性が非常に高い」商品を数点発売したうち、比較的反応が良い商品があります。こういった場合はこの売れ筋商品にアクセスを集中させて、売上の柱かつ強い導線に育てていくのがセオリーです。ただ、この商品の問題点はリピート商材ではないことで、リピート商材でない以上、同一ブランド揃えで見せていくしかありません。いわゆる「LTV=顧客生涯価値」が見えづらいところです。

 「LTV=顧客生涯価値」がなんとなく見えてくれば、広告を投下して集客を増やすことの踏ん切りもつきやすくなってきます。利益率が低い商品ではないですが、単体での販売のために広告を投下するのは「CPA=顧客獲得単価」が合わない可能性があるのです。次につながる商品、もしくはブランドとしてリピートしてくれるお客様が見えてくれば展開は一気に変わります。

 そして継続的なテーマは「ヒット商品」を販売することです。Eコマース開始時に発売した数点の「売れる可能性が非常に高い」商品を企画した後も、ショッピングモールの販売分析を継続的におこない次の「売れる可能性が非常に高い」商品の開発を進めています。どこかのタイミングで「ヒット商品」が出れば、こちらも一気に展開が進みます。利益率が高い商品であればなおさらです。

 ちなみに「ヒット商品」になりえるか否かを簡単に判断する方法があります。「初速」です。新作商品を発売したときの「初速」を見ることでその商品力の可能性がわかります。ここについては過去の経験も含め次回のECMJコラムでご紹介したいと思います。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから